裏山探索と言うよりは、“大自然と生きる”って感じだ
08年3月2日(日)「 裏山探索 」

 妻と娘は着々と荷をほどき、それぞれの部屋をきれいに整頓しつつある。わたしは仕事柄「泊り」が多いので、ダンボール箱の山からなかなか抜け出せないでいる。ほどいた荷といえば「デジスコセット」の荷だけで、三脚とフィールドスコープとデジカメを眺めてはため息ばかりをついている次第である。隣のお宅の庭が、もう15年も住んでいるということでさすがに立派に木々も育ち、キンカンの木もあったりするので鳥たちが毎日やってくる。わたしは隣の奥さんにことわって(けっして覗きじゃないことを)、2階の窓から鳥の写真を撮らせてもらったりしているここ2、3日である。
「朝ねえ、外でカッコーの声がするよ! すごいねえ、さすが土気(とけ)だわ」
 妻の話にわたしは小踊りしたが、確認してみるとそれは毎朝7時きっかりに鳴く目覚まし時計だった。馬鹿な嫁である。

 3、4、5日と3連休をもらったがそれぞれに「倉庫の組み立て」「ADSLの接続と各部屋への配線」「猫の爪研ぎ板を柱という柱に施す」「130個のダンボール箱をゴミ回収日に出せるよう小さく裁断する」などビッチシ予定で埋まっている。まったくなあ、せっかく海(九十九里)の近くに越して来たのになかなか海に行けないのがくやしい。ストレスが溜まる一方ではないか。季節的に釣りには早いので焦りはないが、片貝漁港方面のロケハンも近々に実行に移さねばならない。カヌーを出せる湖沼も探さねばならない(野田知祐さんが若い頃住んでいた亀山湖はちと遠い)。わたしにとって遊びはライフワークだ。準備も遊びの内に入るからそれなりに、いや大いに楽しい。
 鳥の写真を撮るにしたって同様である。行っていきなり撮れるわけではない。ロケハンをくりかえし、どこのどの木に何時ごろ何の鳥が止まっている、という情報を入手しなければいい写真は撮れないのである。鳥の1日の行動パターンはだいたい決まっている。食べること、餌を探すことがすべての彼らはほぼ時間通りに自分の縄張りの中をパトロールしているのである。というわけで近場の裏山をとりあえず探索する。キンとした冷たい風が徹夜明けの目にしみる。初めての場所を行きあたりばったりに進んだせいで、道に迷ってしまった。人家はあるがなかなかの大自然である。公道だと思って進んで行くと農家にたどり着き、そこで行き止まりというケースに何度も遭遇した。農家の人が家から出てきて怪しい目で見るので困った。
 まるで昔通った山梨県津金のようだ。「思えば遠くへ来たもんだ!」と改めて感嘆する。夕方に近かったせいもあるが、右も左もわからないいきなりのロケハンなので鳥影は拝める筈はなかった。がカラスでもなく、キジバトでもなく、ヒヨドリでもない大き目の黒と青のシルエットが林の中に飛び込んで行くのを目撃した。カケスではないかと期待を込めて想像するが、この際7時に鳴くカッコー以外だったら何でもいいような気がする。まったくなあ。まあとにかく、雰囲気的には鳥は多そうではある。胸が踊るぜ。

(追記)
 コンビニに行った折り、そこの経営者の奥さんと話をした。越してきたばかりであると言い、あいさつを交わす。残念なことに3月16日で閉店になるのだという。街道添いだが、住民がほとんどJB(ジジババ)なので深夜の売上はほとんどゼロに近いそうだ。夜遅く帰宅するわたしにとっては文字通りコンビニエンスなのだが……。
「この辺は寒いでしょう? 誉田(ほんだ)と土気(とけ)は千葉のチベットって言われてるんですよう!」
 思わず笑ってしまったが、現在時わたしの部屋には暖房器具が何もなく、まさしく冬の山岳民族のようにダウンジャケットを重ね着したまま生活しているのだ。チベットかあ……、そういえば、雪に埋もれても凍らないパンジーが今朝見たら凍っていたなあ。サボテンとアロエはこっちに来てからミイラになってしまったしなあ……。
 “ジプシー小林”はかくして、“チベタリアン小林”に改名することになったのであった。




              




mk

八幡池という名らしい

外周6mはありそうな杉

何かは居そうだ(魚くん)

新建立の大椎八幡

家から15分でこの風景
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