“わたしのミニトマトが丸坊主になる”の巻き
08年6月7日(土)「 トマト日和 」

 わたしの大切な“トマトちゃん”に“クロサビ(黒錆)病”が出てしまった。妻がそう言うのだから、そうなのだろう。まったくちょっと勉強して詳しくなったものだからうるさいうるさい。おまけに娘が園芸というか花というか、まあそっち方面の専門学校に通っているので、ちょっとカルトな園芸用語が家の中を飛び交っているのだ。さらに市販されていない強力な薬品とかが平気で醤油さしの横に置いてあったりするので、きっとわたしは間違いなく近々に間違いで死ぬね。あ、トマトの話だった。

 他人が育てているトマトが枯れようが腐ろうが知ったこっちゃないだろう。世の中そんなもんだ。がこのフィールドノートは自分のための記録ですからね、わたしのトマトにいついつ何が起こったか逐一残しておかねばならぬの心よ。夜遅く帰宅しても懐中電灯片手に見回り、生育状況を確認してはブフフとほくそえんでいたというのに、チクショウ〜! わたしのトマトン(愛称)に限って病気になるなんて絶〜対許せないことなのである(内の子に限って……の母親と同じ)。寒い雨の日が続いたのが原因なのだろうか。特にトマトにとって低温多湿は辛いらしいのだなあ。育てにくいはずの“桃太郎”は案外そこそこに元気でやっているのだが、乾燥に強い性格があだになってかミニトマトンがもうボロボロ「踏んだり蹴ったり泣きっ面に蜂」状態なのである。
 無農薬でゆくつもりだったのだが、しかたなく3日前に薬品を散布、アブラムシは指で握りつぶした。

 そして本日。久し振りに晴れたので農薬の効果を見ようと、仕事を半ドンにして帰宅する。駅から走ったりした。ほとんど“走れメロス”状態である。
 オーッ! オーオーオーッ! アブラムシが絶滅しているではないか。葉っぱに付いた黒いまだら模様の部分がカラカラに干からびてきているじゃないか! おそるべし農薬である。
「やった〜! ママ、ママ、トマトンが回復してるぞ!」
「トマトン?」
「イケテル、イケテル、農薬大好き〜!」
「カレーに入れるなよ?」
「ヨシッ、ヨシッ、よくがんばった。今日は散髪をしましょうぞい!」

 わたしは剪定バサミを持ち、ミニトマトンの病気がもうそれ以上広がらないように悪い葉、悪い枝をチョキチョキと切り落とした。いささか切りすぎた気もするが病気は元から絶たねばならない、の心よ。
 プーンとトマトの匂いがした。トマトを丸り噛りした時、ヘタの硬い部分に歯が当たり「あ、ヘタを噛んだな」と思う瞬間に感じるあの匂いだ。半分まだ青いトマトを噛った時の匂いでもある。わたしは空を仰いだ。雲は多少残っていたが、その水色は今日だろうか明日だろうかと梅雨空けを待って見上げた、少年時代の鹿児島の空の色に似ていた。“トマト日和”である。




              




mk

右2本がミニトマト、可哀相

雨にも負けず……

黒錆病にも負けない

ミョウガも植えました

ダチュラも植えました
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