2013年08月14日(水)「 山上の野池 」

 釣具の上州屋が「ブラックバス釣り」を流行らす目的で、つまりは釣具売り上げアップのために全国の水溜りにブラックバスの稚魚をギャング放流した、という噂がまことしやかに流れたのは何年ぐらい前だっただろうか? 是非はともかくなんだかもうとても懐かしい話題のような気がするなあ。時はあっという間に過ぎていくのだ。

 犬の散歩コース開発のために最近はスーパーカブで近隣をくまなく走り回っている。といってもあらかたの道はもう頭に入ってしまっているのだけれど、ゴルフ場脇のその道は初めて入ってゆくものだった。幅は3mほどしかなく、所々に退避スペースが設けられている。一応林道のようなので車がすれ違ったりできるようにそのスペースは設けられているのだろう。
 スーパーカブで林道を下ってゆくと向こうから軽トラックが登ってきた。登坂車両優先だろうから、わたしは道を譲ろうと脇に寄った。と、途端にコケましたね。道脇は土手のように見えたのだけれどただの枯葉の塊りで、カブとわたしは横倒しになったままズルズルと雨上がりの坂道(土手)をスリップしながら落ちて行ったのでありました。軽トラの助手席に乗った奥さんらしき女性が心配して降りてきてくれましたが、わたしがヘラヘラ笑いながら「でえじょうぶでぇ」と言ったものですからちょっとイカレたジジイだと思ったのか逃げるようにして林道を登って去っていきましたです。

 2mほどの坂(土手でした)をどうやってカブを持ち上げるか途方に暮れていると、目の前に池があるではないですか! これは大発見だと思って足をさすっていると、池の中からAKBの板野みたいな娘が出てきて言ったのだよ。
「お前が池に落としたのはこれか? これか? これか?」と3種類ぐらいの小さなブツをものすごいスピードで見せたのだけど、あまりにその動作が速すぎてよく分からない。
「板野ちゃん、もう少しゆっくり見せてくんないかなあ?」というと「釣りにきたんじゃないのか? 馴れ馴れしいオヤジだなあオマエは」と舌打ちをして消えてしまったのだった。
 今思うと、あれは何だっただろうか? 舌打ちを返してやればよかった。腹ん立つ! もしかすると上州屋の娘ではないかと思うのだがはっきりは分らない。わたしを顔見知りの釣り人と間違えて出てきた可能性もあるが、そういえば板野にしちゃあ随分口が大きかったような気もするし、ウロコもあったようだしヌルッとしていたしなあ、ブツはルアーだったような気もする。それに板野はもうAKBを卒業したしなあ。分らないなあ、分らない。ああ、分りたくもない。


 こういう野池のバスはですね、すでに魚は食ってないです。在来の小魚は食い尽くしてしまっていますから、特に夏はね蝉とか蛾とか甲虫とかをね食ってる(はず)んですねえ、お客さん。わたしは何年ぶりかでフライを巻きましたね。大きくて水にポッカリ浮いて、引くとヒクヒク動くようなやつ。ピクピクじゃなくてヒクヒクですぜお客さん!
 大まじめなイデタチと立派な仕掛けを使いながらまったく釣れていない奴の前で、普段着・雪駄でやってきて片手間のようにヒョイと魚を釣り上げてみせる。これが釣りの醍醐味というものでありますな。
 魚の大小はあまり関係がない。ガハハハーだ、上州屋の娘め!




                 




mk
カヌーを浮かべたら板野(AKB)にもう一度逢えるだろうか
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パッと見は山上の湖風だろ

こんなことしてる奴がいたから

こんなことして(虫干し)

こんな奴釣ってみせたけど

こいつはちょっと空しいなあ
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