08年12月15日(月)「 ピンボケ 」

 新居の庭も手入れが行き届き、冬とはいえ色々な花が咲いている。道行く人が「あら、きれいなお庭!」などとつぶやくものだから「ゲヘ、ゲヘヘ」などと密かにほくそ笑んでいる。ところがだ! こともあろうに隣の敷地に飲み屋ができてしまった。15畳ぐらいの割烹料理屋である。割烹料理屋といえばまだ聞こえはいいが、実態は以前からあった焼き鳥販売所みたいな小屋をちょっと改造しただけのパイ飲み屋である。「随分だな、何様のつもり?」と言わないで欲しい。高飛車な言い方をするのにはそれなりの理由があるのだ。こっちが挨拶をしても挨拶の返しは無し・うちの玄関先に古い業務用冷凍庫などのゴミを山積みしている・アイドリングで排気ガスを放出しっぱなし・等々準備段階からちょっと非常識極まり無い状況だったのである。しかもだ、いざ開店してみると深夜0時までカラオケが絶えないという迷惑なオマケ付きである。さびれた港町の場末じゃあるまいし、この清閑な住宅街で今時ずいぶんピンボケな店なのである。当初わたしはあまりのショックで胃がキリキリし、再引っ越しまで考えた。ド演歌のある(漏れ聞こえる?)生活は許せないのだ。自治会を通してカラオケはポップスだけに……、もとい、せいぜい10時までにしてもらおうと思っているのだ。が最近、どうも客の入りからみてそう長くはなさそうにも思えるのである。もうしばらく静観することにした。
 
 ピンボケといえば、最近特に感じるのだが本当に「目」がやばい。もともと左右の視力が違いすぎる上に、50歳を過ぎて遠視(老眼)がひどくなってきた。しかも遠視は右だけなのである。なのでもうわたしの視界はガタガタ状態である。1点に焦点を合わすことができない。一時、脳障害じゃないかと疑ったほどだ。
 デジスコの機材を変えたので、久しぶりに撮影に出かけてみたが結果は悲惨そのものである。遠くの鳥をまず発見する→望遠鏡でとらえる→望遠鏡のピントを合わせる→デジカメのモニターで構図とピントを調整する→鳥が少し移動する→また1からやりなおす。
 とまあこんなことの繰り返しなのである。その間2種類の近視用眼鏡と老眼鏡をとっかえひっかえし、目をこすりこすりシュパシュパ(?)する。七転八倒、なんとかシャッターを押した写真を家で見かえすと、結果はほとんどがピンボケであった。楽しくなくなってしまいそうだ。
 眼鏡屋さんも左右の視力差にサジを投げたので、眼鏡に関してはもう策がない。視力回復しか手が無いのだ。ブルーベリーエキスは常用中。さらに半愚半笑(こんな言葉があるのかどうか分からないが)、わたしはオークションサイトで「メッシュ眼鏡」というのを見つけて落札した。30年ぐらい前に流行った視力回復を謳ったインチキ臭いものである。1日30分ぐらいそれをかけて、メッシュの穴の間から一生懸命ものを見ようと努力していると、あ〜ら不思議、眼球の水晶体を引っ張ったり緩めたりする筋肉が鍛えられて視力が回復するという恐ろしくアナクロなものだ。が、説得力はある。知っている人はだいたいわたしと同年代だろうか。少年サンデーや少年マガジンの裏表紙によく載っていた。
 わたしは届いた「メッシュ眼鏡」を手にとってまじまじと見つめ、ア〜ラララララララ、ずいぶんピンボケものを買ってしまったなあと水谷豊のように笑った。(水谷豊の古いアルバムがまた売れてるそうだから、わたしにも印税が……それもピンボケ!)

「体力と気力と知力が萎えてくると的外れな行動が増えるのよ」
 家庭内女どもの指摘は容赦なく的を得、胸をえぐる。ピンボケ事例は枚挙にいとまが無い。せっかく購入したデジタル1眼レフカメラがそのままでは使えないぐらいにピントが狂っていたり(ただいま調整中)、バイクで大転倒して2日も経ってから捻挫を発症したり、職場では娘ほど歳の離れたお嬢さんの笑顔が恋しかったりと、ピンボケというよりも病気かも知れない。
 ジョイマンのラップ真似をすれば色々言葉を絞り出してボケ防止になるかも知れない、と考えるところがもう病気だ。

ナナナナ〜、ナナナナ〜、ピンボケ〜、オトボケ〜、四国の大歩危、おいらは小歩危、トムソーヤの大ボーケ〜(ン)?……つまんね〜!




             




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