2012年11月18日(日)「 名も無き野池 」

 職場の同僚の斉藤さんがなにげなく尋ねたのがきっかけである。
「手賀沼の周りの水路で、なんか釣ってる人がいっぱいいたのさ。で何釣ってんだか聞いたさ。したら、タナゴって言うでねえか。タナゴ釣りって面白いのすか?」
 埼玉に住んでいた頃、浦和道満公園の池や、越谷の用水路に通っていたので得意になって答えた。
「まさにこれからが本番です。冬の風物詩ですなあ、タナゴ釣り! 今のスタイルは江戸時代にほぼ完成されていました。競技も行われていたのですよ。数釣りの競技です。100匹の単位を“束(そく)”と言いますが2束、3束は軽く釣れたそうですから、昔は自然が豊かだったわけですね。繊細な道具と仕掛けは手作りせねばなりません。竿は笹の穂先を焼いて染み出してきた油で磨き、針は市販の物を半分に切って研いでさらに小さくし、ハリスは0.3号でも太いぐらいです。できれば0.1号でいきたいぐらいですねえ。江戸の頃は細い髪の女をわざわざ探し、金を出してでも分けてもらって使ったものです。餌はタマムシの蛹の体液をチョン掛けで、それが無ければ黄身練り(卵黄と小麦粉をゆるく練ったもの)でも釣れなくはない。アカムシもいいが、外道でクチボソがくる率が上がるような気がします。アカムシはクチボソの大好物…。いつでも準備できるということで黄身練りがいいんじゃないでしょうか? 贅沢言わなきゃ、お金はかからない。肝心なのはそこにタナゴが居るかどうかですなあ。減ってるからなあ」
 
 説明しているうちにわたし自身が釣りたくなってしまった。
 自宅の近所に適当な野池は無いかとGoogleで探すと、バイクで20分ほどの山中に名も無き野池があった。しかし現地に行ってみないとまず分からない。最近は何処にでもブラックバスとブルーギルが放されてしまっているから、クチボソさえも居ない池がほとんどである。まさにタナゴが居るか居ないかが全てなのだ。


 ぐるりと一周歩いて7〜8分、いい池である。鯉がいるのはすぐに分かった。さらに、フェンスで囲まれてはいるが「釣り禁止」の看板も無い。フェンスを越えなくてもちょっと長めの竿なら様子が分かる、最高だ。
 岸の水際を観察すること30分。3〜5Cmの細身の小魚を数匹確認できた。おそらくクチボソかと思われる。ブラックバス・ブルーギルには犯されてはいない(おそらく)ようである。タナゴがいるかどうかはまだ分からない。ただしWeb上で“あくどい業者がこの辺りでタナゴを大量に獲っていた”という2006年の情報があったから、居たことは事実のようだ。今もいるかどうかは自分で確かめねばならない。。

 本日は観察およびロケハンのみである。@フェンスを乗り越えて足場を確保したいが可能かどうかA浦和の天才タナゴ釣り師からもらった仕掛けをどっかに仕舞い込んでしまった。探さねばB山中なのでこれから先めちゃくちゃ寒そうであるCEtc.
 問題・課題山積み。がしかし、高まる期待。次の休みはいつだったかなあ…。オー! 三連休があるぞい!




                 




mk
Google の航空写真はすごい。地図より分かりやすい。
※写真はクリックすると大きくなります

源流なんだけど側溝でもある

ここもコンクリートで…

いい感じである

釣り禁止の看板は無い

珍しい野生の美男カズラ
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