イシクラゲを水で戻している間(5時間)に
またまた川を見に行ってしまった
08年5月6日(火)「 南白亀(なばき)川 」

 先日の「河川見学」に続く第2弾。白子町の“南の白い亀の川”を見に行く。名前からしてなんとなく怪しい感じがあって魅力的だ。(※アカウミガメの産卵が確認されているので、そのあたりが名前の由来かもしれない)
 白子町は自らのWebサイトを持ち、積極的に町をPRしている観光町である。テニスのコートが400面以上(1箇所にだよ!)ある施設があったりするので、すっかり「テニスの町」として全国的に有名になってしまった。個人的には何〜んにも無い、車も走っていない、浜ヒルガオだけが無数に咲いているような静かな“海と砂浜と川だけの町”の方が良かったのにと思うが、今時そんなところはあるわけがない。だいいち、経営が成り立たない。
 話が外れるけど…、文化の日に辞書で調べて再認識したことなのだが「文化」の反対語は「自然」だったんだねえ。虚をつかれた感じで感動した。砂浜の脇にドーンと建つリゾート系及び公営系建築物をもし菅原文太が見たら言うだろう。
「文化っちゅうのもそこそこがええんじゃけんのう」

<掘川>

短い川なんだけど

稚魚の群れ

下に下げてあるタイプ

藤の葉と花は補色関係

釣り人0ではなかった

 ロケハン予定になかった川なのだけど「通りがかりの勘」というやつで寄ってみる。地図に名前は無いし、幅は15mそこそこだし、短いし水もきれいじゃないのだけれど、ブワーンと濃厚な潮のにおいがしたのと藤の花が強烈にアピールした。分類すれば農業用水路っぽい。河口から100mの所にいきなり可動堰があって、そこから上は水が淀んでいる。色もアオコの混じったドス緑(?)だ。もう100%用水路である。
 が、堰から下の海側、および砂の岸際は妙にそそられる感じなのである。わたしが小学生時代を過ごした鹿児島県指宿郡をふと思い出し、とても懐かしい気がした。もっとも向こうは取水口の辺りを覗き込むと小さな熱帯魚がウジャウジャいたけれどね。
 小さな川の河口は干満で劇的に変化する。ちょうど上げ潮で、これから水位が上がって海水が堰を越えようという時間帯だったせいか、堰の上下(かみしも)でボラが興奮していっせいにジャンプした。堰の上流にもとり残されたボラたちが何時間もずっと居たわけで、入って来始めた海水に歓喜したんだろう。わたしはその様子を20分ほども眺め続けた。
 近所のガソリンスタンドで川の名と釣り情報を収集。釣りをする人はほとんどいないらしい。しかし、わたしの勘からすると、この川はひょっとするとひょっとこかも知れない(何じゃそれ?)。川底で白い腹をビカビカ光らせる魚(ボラじゃないと思う)を延べ竿で釣ってみたい。

< 南白亀(なばき)川 >

結構大きな川だ

上流を望む

河口を望む

ハマヒルガオかあ!

連休最後の快晴

小さいのになあ

なかなかにワイルド

舌平目のオッサン

カヌーで行こう

南白亀川の黒い亀

 ゴールデンウィークの最後の日がやっと快晴になったこともあり、海岸には人が集まってきていた。潮が上がり始めた時間だったので釣り人もチラホラ。堤防の突端で投げ釣りをしているオッサンが20Cmほどの“シタビラメ”を2枚上げていた。その他には投網のオジジが小さなカニをバケツにキープしていたが「逃がせよそんなの!」ってな感じだ。わたしは釣りのために下見をしているわけなのだが、河口付近の海岸は「古所海浜公園」という名の公園になっていて貝を掘る人、泳ぐ人、犬を泳がせる人、砂山を作る人、タマネギの皮をむく人(?)、走る人等色々で、人それぞれが海に求めるものが違うんだなあと実感させられる。
 白子町のサイトには釣り人用の略地図があり、どこどこで何が釣れますよ〜という魚の絵入りの親切さ。大きな期待を抱いて来たせいか、現実(誰ひとり目の前で釣ってみせてはくれなかった)にちょっとガッカリである。わたしは“夢のような鹿児島湾”で釣りをしていたので「海で釣れない」という状況をなかなか理解できない。放り込んだ仕掛けに魚が1匹も付いていないことなどなかったのだ。目的のキスが付いていなくても5本の針には5匹のメゴチがついていた。関東では皆持ちかえるメゴチも、鹿児島ではゴッババという名で呼ばれて蔑まれ堤防の上に放置されて干からびる運命だ。釣れたキスを上げようとしていると、それをを追いかけてきてイナダが食いついたこともある。小学1年の娘がビシバシと30cm以上のキスを釣り上げる様は親冥利に尽きるというものだ。60Cmほどの鮫をかけてしまい、海にひきずり込まれそうになり、それでも泣きながらランディングした我が子をわたしは大いに褒めてやったりしたものである。娘は今でもその時の竿の重さを覚えているそうである。釣りに行く日の晩飯はキスの刺し身とテンプラに決まっていたし、運が良ければそれに鯛の塩焼きと吸い物が加わった。鹿児島の釣りに「ボウズ」は絶対に無かったのである。
 海が(釣り場)が荒れている様子はそれほどない。押し寄せる潮を見ていると魚はいくらでもいるように見えるのだけど。季節のせいなのだろうかなあ。
 
 ここ20日ほどで九十九里の川を5本下見した。感想として「太平洋の丘釣りは難しそうだ」というのが正直なところである。釣りのシーズンはまだまだこれからだし、実際に竿を1度も出していないのでちょっと弱気過ぎるような気もするが、海岸だけに限っていえば南国の海にはとうていかなわない。
 帰路、南白亀川の中流部を見た。カヌーをのんびり漕いで遊べそうな場所が発見できたのが収穫といえば収穫である。水温もだいぶ高くなっているのだろう。南白亀川に黒いドロ亀がのんびりと泳いでいた。じっと見つめるわたしに「来れるもんならここまで来てみろ」と彼は言った。行ってやるともさ。いよいよ夏だ。その前に体重を5kg減らさなきゃ。




               




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