海鵜にだけ“舌平目”を食わしてなるものか…の巻
08年6月11日(水)「 待ってろよ〜、舌平目 」

 妻と娘が投げ釣りに行きたいと言うので、もっとガンガン釣れる場所をロケハンしなければならないのだが、今日も片貝漁港へ足が向いてしまった。というか、前回(5/27)目の前で海鵜がバクバク食っていた舌平目が気になって気になってしかたがなかったのだ。これをを釣らずんば“フィッシャーマン小林”のコケンにかかわるというものである。

 作戦は魚のサイズに合わせてハリのサイズを落し、ハリを赤く塗り、さらにアピール度増強のためにハリの付け根に蛍光玉を付けた。これでイケるはずである。ただカレイや普通のヒラメは釣ったことがあるが、舌平目は初めてである。なぜか見るのも初めてで、最初見た時はペラペラの骨無し軟体深海魚かと思ったぐらいだ。顔は笑えないし醜いし、こんな魚をムニエルにして好んで食うなんてフランス人は物好きなこった、と。

 潮(干満)がまったく悪くて午後3時過ぎが干潮、片貝漁港に2時に着いた時はもうほとんど潮が動いていない。3時間やって動きがなければ白子町に移動するつもりで始める。ポイントは前回と同じ場所だ。人間は不思議だ、釣れたことのある場所にまず腰を下ろす。イカンイカン、ほんとうはもっと開拓的、攻撃的な釣りをしなければならない。
 そんなゴタクをうだうだ考えていたせいか集中できない。強風で微妙なアタリも取れず時間だけがどんどん過ぎていく。2本の竿を置き竿にしてしまうだらしなさ。回りの写真などを撮ってしまう退屈。こうなると、もう釣りではない。ただの暇つぶしである。
「今日はボウズでいいか! 白子町へロケハンに行くことの方が発展的であるなあ。そうだそうだ、今日はそういう日なんだ」と無理矢理自分をごまかした。片方の竿を片付けている途中で、いきなり置き竿が持っていかれそうになった。あわてて手に取ると強力な引きである。
 逃がした魚はデカイというが、そいつはおそらく50Cmぐらいあるイシモチだったかもしれない。いや、1mぐらいのスズキだったかもしれない。ハリを小さくしたのが裏目に出てしまった。ハリがみごとに噛みきられていた。う〜ん、ただ折れた、とも言えるが。

 俄然やる気になったがその後は風のイタズラのみ。竿が揺れるたびにむかつく。なんだかんだしている内に白子町に移動するタイミングも見失ってしまい、気がつけば辺りが紫色になっていた。
 18:40、日没の30分前。ツンときてグンときたのでグイグイとリールを巻くとペタンペタンと水面を叩くような音をさせながら舌平目が上がってきた。堤防に置くとクネクネとのたうち回った。わたしは「ボウズだけは免れた」と声に出して歓喜し、余りの嬉しさにその魚の動きを見て、思わず「初めまして巻き舌君」と愛称で呼んでしまった。帰死回生の1匹だ、持ちかえる。小さいが神の恵みはありがたくいただこう。

 さ、次こそ白子町の南白亀(なばき)川河口付近だ。ハレルヤ! 晴れるや! ついでに、日焼けが腫れるや〜!




               




mk

置き竿にする悲しさ

カブの写真を撮る退屈

ちょっと詩的な風景

夜になっちまうよ

肥後の守が21Cmだから
Yahoo!JapanGeocities topHelp!Me