“パノラマ写真”って夢があったのに……
2009年11月25日(水)「近所の紅葉」

 休みの日には必ず雨が降る。バラの冬支度もしなければならないし、ビニールハウスも組み立てなければならないのにだ。ハウスなどは購入してから、もう3週間も経ってしまっている。3連休あれば1日ぐらいは晴れの日も混じるから、なんとか溜まった雑事を片付けられるのだが、そうは都合よく休みは取れないのである。加えて、職場で突然の辞職者が出たりもして、貧乏暇無し状態だ。
 雨の切れ間をぬって裏山の紅葉を見に行く。もう遅いような気がしたが意外や意外、夕日に照らされた頂上付近は、さらに濡れていることもプラスして彩度を増してきらめいていた。ちょっと無理があるがオーストラリアのウルルに見えないこともない。上の写真は何枚かの写真をつなげてパノラマ風にし、繋ぎ目の不自然さをカバーするためにそこを手描きで修正して仕上げたものだが、いっそのこと山ごと全部真っ赤にしてもっとウルル風にすればよかった。……かな?

 ウルルといえば「世界の中心で愛を叫ぶ」のラストシーンだ。涙なくしては観れない。婦女子の絶大な支持を得たのは事実だろうが、わたしはあれは男の映画だとつくづく思う。女々しい男だと主人公を笑う女がいたがそれは違う。あれが普通だ。たいがいの男は、形こそ個々に違うだろうが「きっちりケリをつけられなかった青春の1ページ」をひとつは必ず持っているものだ。そしてそれは呪縛となり、遺伝子的に女より弱くできている男の、心と人生を操るのである。
 11月25日は初恋の人の誕生日である。もう何十年も昔のことなのに……と我ながら呆れるが、あの衝撃的な三島由紀夫の「自衛隊ク−デター事件」が11月25日だったし、その他2、3の私的重大事件とも同じ日付けだったこともあって、とうとう永久保存版の記憶になってしまった。
 初恋の人には謝らねばならないことがたくさんある。ひどい仕打ちをいっぱいしてしまった。しかし、その謝る機会は未来永劫おそらく無い!というのが人生の辛く悲しいところだ。死ぬまで抱えてゆくであろうわたしの呪縛である。
 妻などは「初恋の女が何よ! 私にも謝ることがたくさんあるでしょう?」と迫るが、それはまた別の話だ。わたしは結婚前「いつかきっと売れて(曲が)臆万長者になって贅沢三昧させてやるぜ」と言って口説いた。

 70年代の初頭「青春の蹉跌(サテツ)」というショーケンと桃井かおりの主演映画があって、ストーリーが自分の“裏切り行為”とかぶるところがあり、何回か繰り返し観ては涙した。
 あの頃、わたしは21歳の未熟児だった。そして今は、55歳の赤子である。


 


                




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