2012年06月26日(火)「 風に吹かれて 」

 スーパーカブにゴムカヌーの“サファリ”を積んで栗山川に行った。出発前からかなりの風が吹いていて、バイクのハンドル操作さえ危なっかしいぐらいだったのだが強行。せっかくの、梅雨の合間の晴れた日に、家に居たんじゃもったいないじゃないか。
 ところがだ、現地はさえぎるものが何も無いのでさらに猛烈な風。おまけに干潮ときたものだ。迂闊だった。釣りの時は干満を必ず調べてくるのだが。
 工事の様子を眺めながら、ひたすら風の止むのを待った。が、その気配は無い。ゴムカヌーはボッテリした形なので特に風には弱い。無理やり漕いでもいいが、転覆してびしょぬれになるとバイクだから後が面倒だ。すっかり根性無しになってしまった。ウム、歳をとったなあ。

 周辺をグルグル回り、道のつながりを確かめる。農道、畦道までもつながりを知っていると、後々遊びの世界が広がるのである。同じ道を行ったり来たりするので、静かな田舎ではどうしても目立ってしまうようだった。まあ、巨大な荷物を積んだバイクというだけで、地元の人たちにとっては十分怪しいのだけど、かろうじてパドルの形で荷の内容が分かるらしい。すれ違う時、彼らの顔が「物好きねえ」という表情に変わっていくのが何となく可笑しかった。

 土手を散歩していたオジジイたちに、空き屋情報を聞いてみた。が、ほとんど情報を持っていないようだった。安く借りられれば週末は栗山川近辺で過ごそうと思っていたのだが。木(ベニヤ)製でスピードの出る細身のカヌーを作って、そこに置いておきたいのである。貸し倉庫なんて洒落たものはこの辺には無いのだ。かといって野ざらしにしておく訳にもいかない。

 川辺に立っていると井上陽水の歌を思い出した。
「ねえ君 ふたりで何処へ 行こうと勝手なんだが 川のある土地へ行きたいと 思っていたのさ ♪♪……
 今は君だけ 見つめて歩こう……(桜三月散歩道)」
 35〜36年以上前の曲だが、ふいに打ちのめされて呆然となる。
 去年もそうだったが「6月病」のようだ。風の中で、自分の無力さに気付き、ただただ遠くへ行きたくなる病気である。
 



               




mk
ボブ・ディランの「風に吹かれて」と五十嵐浩晃の「愛は風まかせ」も歌ったのだった……ぜ〜!
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勇ましいというか何というか

強烈な風が吹いている

工事はだいぶ進んでいる

潮が引いて行くのが見える

最後まで船を出すか迷った
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