花三昧(はなざんまい)  
07年04月06日(金)  「花三昧(はなざんまい)」

 妻と花の写真を撮りに出かける。久し振りにのんびりした気分になった。
「“名もない花”とかよくいうけれど、本当に名前の無い花ってあるのかしらねえ」
 わたしは妻のその問いかけに、何十年ぶりかに思い出すことがあって「ブッ」と吹いてしまった。
「何?」
「いや、たいしたことjじゃない」
「?????」
 
 本当にたいしたことではないのである。大学2年の時、どう見てもわたしとは不釣合いな、いわゆる“お嬢様タイプ”の女の子に好かれてしまったことがあった。美大生は貧富の差が激しいのだ。
「わたくしは、おそばに居られればいいのです。名も無い花でいいのです」
 臭い台詞だがさすがお嬢様だなあ、と感心した。しかし、まあ色々あってうまくはいかなかったのだが、別れ際のそのお嬢様の台詞がまたすごかったのだ。
「貧乏学生のくせに! 付き合ってやるって言ってるのに! 人の気持ちを弄(もてあそ)びやがって! 世の中に“名前の無い花”なんて無いんだよ、馬鹿!」
 仲間たちと酒を飲んだりしただけだったので、わたしは「もてあそんだ?」と真剣に悩んだ記憶がある。お嬢様でもなかったのかも知れない。

「“名前が無いこと”より“その他大勢扱いされること”の方が寂しいかもねえ‥‥」
 笑い話のつもりで言ったのだが、妻が妙にまっとうな受け答えをしたので、わたしは少しびっくりした。




              




mk

満開

幹桜

這いつくばって撮る

蜂を待ったが‥‥

直径1mmの花

直径2mmの花

枝垂れ(しだれ)

直径3mmの花

菜々色?

代官様の山吹色
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