わたしは彼女の花も蕾も摘んでしまった……な〜んちゃって
09年8月4日(火)「 花も蕾も摘まねばならない 」

「自転車小僧」と「農薬オヤジ」は依然元気に頑張っている。あれ?「農薬オヤジ」は初めての登場でしたか?

 たいしたことじゃないのだ。妻が育てている40種類のバラが“うどん粉病”や“黒星病”にこっぴどくやられてしまって、無農薬栽培もすっかりお手あげ状態になったわけなのである。で、多少農薬に知識がある(混合したり濃縮したりするネ、恐い?)わたくしめがですね、最近いろいろと手をつくして病状を改善の方向にもっていった訳です。きっちり3日おきに殺虫剤と消毒剤を交互に散布したりしていると、まあ近所でも「マメな旦那さんねえ」ってな評判になる。そんな折、夏祭りがあって、隣のカラオケ飲み屋が“焼き鳥の屋台”を表通りに出したのである。カラオケが深夜でも非常識な大音量なので、警察を呼んだり文句をつけたりしたせいか、今度は腹いせにうちの庭にものを投げ込んだりと、なにかと我が家とはもめている隣の店なのだ。でその夏祭りの日、決してわざとじゃないのだけど「よし、これで虫にも病気にもトドメをさすぞ」と計10リットルの農薬をこれでもかというぐらい撒き散らした。風向きによっては屋台の方にも当然流れて行くことになる。ちょっと危ないのは確かなんだけど、カラオケ問題でうちが隣ともめてるのは近所中が知ってるからね、同情されてもいるので「やれやれ〜!もっと撒け」ってな感じで回りは面白がって喜んだわけネ。とうとう「農薬オヤジの逆襲事件」とかタイトルまでつけられて語り草になった……、まあ近所で人気者になったのであるのよ。それだけの話。

 冒頭でいきなり脱線してしまった。語調を変えないとダメだ。
 午前6時、近隣の寺巡りでもしようとサイクリングに出発。が、2kmも走らないうちに雨が降ってきた。カメラを防水バッグに入れてこなかったので、しかたなくUターンし、家に戻る。
 小雨に濡れながら庭を見る。今年もトマトがよく育っている。おそらくこの夏はほとんど買わないで済むだろう。約1ヶ月でパパイヤの丈は3倍に育ち、太い幹には蕾がついている。もしかすると1年目から収穫できるかもしれない。オクラも成り始めた。ペピーノも成っている。何からなにまでわたしのプランテーションは順調だ。 一重のバラだけはわたしも興味があるので育てているのだが、その中で「ピンクサクリーナ」という桜のような花のバラが蕾をたくさん付けて、いびつではあるが初花を雨の中で咲かせた。たった15cmしかなかった苗が30cmに育った、とはいってもまだまだ小苗だ。小さな体で懸命に頑張って生きている女性のようにも見えるではないか!
「あのさあパパ、気持ちはわかるけどさあ、まだまだ花を咲かせちゃダメなのバラは。今は株を大きく大きく育てなきゃいけない大事な時期なの。花も蕾も摘んでおしまい!」
 冷酷な妻は「バラの栽培については私の方が1日の長がありますことよ、オホホホ」と言わんばかりに命令するのであった。うどん粉病も黒星病も治せなかったくせにだ、ケッ!

 見たい一心でつい咲かせてしまった一輪の、その愛しい花びらを1枚ずつそっとはずした。爪で摘み取ろうかとも思ったが、今後の生育にも影響があるような気がして、ていねいに花と蕾の全部をハサミで切り落とした。蕾のままで終わってしまう女の一生を連想し、ついかわいそうになってそのまま口にふくんで呑みこんでしまった。
 ウッソ(嘘)〜!  変態じゃあるまいし〜、農薬で死んでしまいますがな〜!




                




mk

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満集山 長興寺

いわれは全く知らない

造形的におもろい

ピンクサクリーナ

初花は雨の中

花も蕾も摘んだよ
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