8月27日(月)「葡萄の収穫(処分)」

 職場で“黒い陰謀”に巻き込まれてしまったことや、人手不足による超過密スケジュールで、7月初頭から8月中旬まで全くと言っていいほど遊ぶことができなかった。くやしい限りである。前者については未だに憤りが収まらないので、この場を借りて全てを暴露してやりたいぐらいなのだが、薮蛇になって再び命を狙われるのも嫌だし、老兵の正義漢話などは他人様にはまったく興味の無いところだろう。しかしなあ…、世の中には保身のためにとんでもない事を企む奴がいるのであるヨ。

 
 てなことはどうでもいいな(笑)。で2週間ぶりの休みである。海釣りにでも行こうかと考えていたのだが「頼むから早くなんとかして頂戴!」と妻が懇願するので、仕方なく庭の葡萄の収穫をすることにした。収穫ではなく“処分”とも言えるが、暑さと蚊の攻撃に耐えながらの労働である。
 土が合ったのか場所が良かったのかは分からないが、我が家の葡萄の木は異常な生育を続けている。例年100房ぐらいは生っていたのだが、今年はその倍以上の房数である。で、とうとう棚の柱が実の重みに耐えられず大きく湾曲してしまった。放っておくと今にも折れそうである。獲った葡萄をどうするかは後で考えるとして、とりあえず熟れたものから早急に収穫して欲しいという訳である。
 
 種類はマスカット。間引きや袋がけをすれば大きな房になって近所にもお裾分けしやすいのは分かっているのだが、毎年言うだけで誰も頓着しない。結果、見てくれが悪いので配るのも躊躇され、一粒二粒つまんで食すだけでやがて機を逸し、ただただボタボタと地面に落ちるのを眺めているというのがこれまでの通例なのだった。落ちた多量の実は発酵して甘い匂いを辺り一面に漂わすので、コガネムシなどの甲虫類が集まってくる。ゴキも蟻も日陰蝶類もどんどん集まってくる。これがまた近所迷惑なのだ。
「自宅の庭で葡萄が獲れたら素敵だわ!」植えた日の妻の台詞を思い出して、悲しくなりながら房の数をとりあえず半数にした。

 葡萄の実の表面についている白い粉は酵母菌である。つまり水と砂糖を加えてかき混ぜれば、旨い不味いは別にして、簡単にワインになってしまうのだ。あまりに簡単に酒を造れるものだから、それが逆作用してワイン(葡萄酒)だけは絶対に個人で作ることが禁じられているらしい。製造業者を守るためとはいえ、明治時代にできた酒税法というアナクロな法律である。ホワイトリカーなどに漬け込むものも、ワインと同等のものとみなされて禁止であるらしい。個人での楽しみに限定しても駄目なのだ。梅も花梨も蜜柑もキンカンもキウイも林檎も琵琶も梨も他はぜ〜んぶOKなのに葡萄だけがダメなのである。

 コンプライアンスの重要性は無視できない。冒頭で書いた通り、わたしは“老正義漢”なのだ。
 ホワイトリカーに葡萄を漬け込むのがダメなので、わたしは仕方なく、葡萄の実にホワイトリカーを漬け込むことにした。ワイルドだろ〜! 


追記 : 杉ちゃん…早く元気になって欲しいぜえ。




                




mk

過ぎたるはなお及ばずが如し
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洗濯ものには目をつぶるべし

柱が重みにたえられそうにない

半分獲ってまだこの感じ

来年は間引くさ、袋もかけるさ

どうすればいいのか教えて
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