05年9月8日(水) 「入間川八瀬大橋にて」
わざわざ取った4日間の有給休暇が台風14号のせいでオジャンになってしまった。その4日間で国道17号線をトコトコとカブで行き日本を横断(?)、新潟の日本海を見て「越の寒梅」と「ササニシキ」を買って戻る、という旅を実行しようと思っていただけにすっかりふてくされてしまったわたしである。
最後の1日、つまり本日やっと晴れた。わたしのツキも25%であるらしい。ま、だいたい人生の75%ぐらいはもう終わっちゃったのだろうから、こんなもんだろう。しかし台風14号の被害を被った方々のことを思うと、遊べなかったぐらいでふてくされるなんて罰があたりそうだ。
先日娘と行った「峠でチャチャチャ」の帰路にチラッと寄った入間川の八瀬大橋付近に今日は出直し釣行である。“ヤセ”たい願いもある。
そもそも、この前訪れたのさえ1年振りぐらいだから川の激変ぶりは無理もないが、川の真ん中に背の高い雑草に覆われた巨大な中州ができてしまっていた。しかし釣り人には都合のいい緩い淀みが脇にできていて15Cmほどのオイカワの群れが2〜300匹かたまって泳いでいたのだ。オイカワ師匠としてはこれを見逃すわけにはいかないのである。
ひと雨ごとに川は変わるというので、又さらに先日の大雨で様子が変わり淀みが無くなっているかもしれないと心配したがなんとか形を残している。中州の方は雑草群の半分は流されたようだった。魚の数も半分になった、ような気がする。
先客のオヤジが1人いて、餌釣りで30秒に1匹のペースで釣っていた。この人は生活がかかっているらしく竿振りも真剣である。河原に勝手にブルーシートで小屋を立てて住んでいるのでホームレスというわけではない。魚を釣って食も得ているらしいので乞食というわけでもない。マリネとか天ぷらにでもするのだろうか。醤油とかはあるのだろうか。よけいなお世話だが気になる。
小屋の中には小さなテレビも有るようだったし新品の自転車もあるし、広大な庭で猫も2匹飼っているようだ。パリッとしたフィッシングベストは着ているし煙草も吸っているし、隣で釣るわたしにガンを飛ばすプライドも持っている。車に乗って遊びにくる友人もいるようだった。ことのほか豊かな生活で、まったく世の中の仕組みがわからない。うらやましいぐらいだ。
このオヤジの撒き餌に大きいオイカワはすべて寄せられてしまって、わたしの目の前には10Cm以下の魚ばかりが残ったようようだった。思い切って最小魚を釣ることに目標変更する。
今までフライで釣った最小魚はやはりオイカワの2.8Cmというのがある。“イヤリング”といわれるサイズだ。26番という最も小さなフライでもなかなか釣るのはむずかしい。タナゴ用のはりでフライを巻いたりする。仮に釣れた場合でも合わせた途端に後方に吹き飛んでいったりするのでなかなか手にするのはむずかしいのだ。(無駄な殺生でもあるしねえ……)
結局今日も8Cmぐらいのやつばかりで、3Cm以下クラスはフライをつつくのがやっと、くわえきれず釣れなかった。それでも久しぶりに生きた魚を触ったので気持ちが落ち着いた。
家に着くと魚臭いわたしの手を飼い猫のプーリーがペロペロ舐めた。体重計に乗ると66Kgになっていて3Kg減っているような気がした。幸せは決してパーセンテージで語ってはいけないのだ。
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