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この夏、わたしは“トマト男”だった

長柄ダムの直売所

最近、自撮りに凝っている

道の駅「長柄」

もっと買えばよかった

最低これぐらいは食いたい
2016年08月30日(火)「トマトとバイクと鼻歌と」

 今年の夏は実によくトマトを食った。もしかすると何か体に不足している物質が有って、それを補うために脳が味覚や嗜好を操作したのかも知れない。ガチャピンだっけ? デコピンだっけ? あ、リコピンだ!(ヘ(゜ο°;)ノ)
 血糖値を下げる効果があるらしい。わたしは糖尿病予備軍……偶然とは思えない。
 で、バイクを飛ばして長柄方面にトマトの買い出しにゆく。長柄ダムの「農作物直売所」、道の駅「長柄」と2ヶ所も直売所があるので、比較購入が出来るのである。時期的に形が悪かったり表面がカサブタ化した、いわゆる“一般店では売り物にならないトマト”が一山単位で買えるのだ。見栄えは悪いが太陽の味がするんだぜ〜。

 久しぶりの晴天なので、気温は高いが風が気持ちいい。林の中を抜ける一本道では肌寒いほどだ。スーパーカブも絶好調、電気系を治したのは正解だった。時速60kmをキープして走り続けた。
 ふと、わたしは自分が鼻歌を歌っていたことに気づいた。なかなか無いことである。

 鼻歌といえば、娘がシャワーを浴びているときによく聞くような記憶がある。よっぽど機嫌がいいんだなあ、と親としては実に嬉しい。調子が良すぎて本格的にシャウトすることもあるが、元気があるのはまあいいことだ。
 そういえば、先日いっしょに養老渓谷に遊びに行った“豚味噌の会”の玲奈ちゃんも助手席で何か歌っていた。36歳も年令差があるので、わたしのまったく知らないメロディだったがまあとても気分が良かったのだろう。こんな年寄と遊んでくれるなんて、まったくもってありがたい事だ。
 はて、妻の鼻歌は聞いたことがない。理屈からすると、わたしと居る時はいつも気分が悪いということになるのだが……? そうだとするとなんだかさみしい話だ。

 もうひとつ思い出した。今年の4月のことだ。
 職場に新卒の新入社員(男)が配属になったのだが、ビッグマウスのくせに仕事はからっきし駄目で、正直言うと直ぐにでも辞めて頂きたいような青年だった。
 で、その青年が案の定なにか大きな失敗をやらかしてしまった折に、本部に呼び出されてトップから散々説教をされたらしいのだ。
 ところが説教が終わって解放された途端に、なんと奴は鼻歌を歌い始めたらしいのだ。しかもだ、それを見た女子社員に「あんた、何歌ってんのよ!」と問い詰められて、反省するどころか「曲名」を答えたという“オチ”まで付いている。
 ああ腹が立つ。思い出さなきゃよかった。気分がいいんじゃなくて、ただのアホ男の話だった。


 トマトと、妻に頼まれた野菜類と、妻への土産(イチジクと生ピーナッツ)を買って帰路についた。
 イチジクはヨーグルトに入れて……生ピーナッツ(粒のでかい“オオマサリ”)はすぐに茹でて食べさせよう……などと考えながら国道14号に出た。アクセルを全開にし、体を傾けて下りのカーブを回りきった瞬間……わたしはまた鼻歌を歌っている自分に気付いたのだった。
 中村雅俊の「恋人も濡れる街角」だった。あ、曲名なんかどうでもいいのだったネ。