TCON−17
07年11月22日(木)「 TCON−17 」

 前回からの続きである。
 DMC−FZ5という新しいデジカメは想像していたものよりはるかに小さく、軽量なものだった。パソコン画面の写真で見る限りでは金属性一眼レフのような重厚さが感じらえたのだが、手に取ってみるとあまりにもオモチャ的・プラスチッキーなのでちょっとがっかりしたというのが本音である。あまり調べもしないで衝動買いしたのが悪いと言われればそれまでだが、しかしまあ、妻が「小さくていいわあ、手ぶれ補正があって私向きだわあ」と言うので、飽きたらあげてしまえばいいかと無理矢理納得した次第である。色味などもちょっと作り過ぎで(好みでないという意味)、ライカレンズというのもますます怪しい。が、もともと光学12倍というスペックが欲しかっただけなのでしかたがない。

 さて、休日を待ちきれず早起きしては隣家の柿の木にくる鳥たちを撮ってみる今日この頃であるのだが、やっぱり写した像はまだまだ小さいのである。手元にあった1.5倍のテレコンバージョンレンズ(以下、テレコン)を付けてみたが、こいつは余りに性能が悪くて見るに耐えない。
 またまた有志のサイトを探しまわり情報を収集した。そしてわかったことは……。ちょっと洗脳された感はあるが「テレコンはオリンパスのTCON−17というのに限る」という結論だった。しかしこのテレコン、なかなか出まわっておらずヤフーオークションでも高値が付いている。ショップにも在庫があまり無いので現在生産されているのかどうかも分からない。新品がオークションに出たりすると定価より高くなってしまう始末なのである。
 ところがだ、半ばあきらめかけていたある日のことである。ヤフーオークションのまったくカテゴリー(ジャンル)違いのところにTCON−17を発見した。価格は¥1000スタート、しかも2個でだ。出品者も「何に使うものか分かりません」と記述してあり、表題に製品名・型番も無い。検索では絶対に引っかからないような状態にあったのである。相場的に1個¥7000〜¥9000のものが2個で¥1000とは……、わたしは“神の恵み”に感謝し、他に入札者が現われないことを祈りながらオークション終了日を待った。

 2個のTCON−17は他の誰にも発見されることなく、ついに¥1000でわたしのものになった。わたしはまた休日を待ちながら早起き試し撮りをくりかえしている。いじり回し過ぎて(必要以上に磨くのが性癖である)1個はレンズを傷付けてダメにしてしまったが、どうせ¥1000、いや¥500である。もうすぐ忘れられるだろう(実はめちゃくちゃショックだ)。
 カメラの光学12倍とTCON−17の1.7倍をかけて、これで20倍強の大きさで撮れるようになった訳である。が…………。  
 柿の実がほぼ食い尽くされて、そろそろ鳥が来なくなりつつある。ベランダから野鳥写真を撮るなどというものぐさを覚えてしまったので、横着に拍車がかかってしまい「餌場を作って鳥を集めよう」なんていう姑息なことを考えている今日この頃である。
「“鳥を追う人”はどこへ行っちまっただ? 足腰を鍛えなおすんじゃなかったのか?」妻は軽蔑のまなざしでわたしを見た。
「俺も来年はもう還暦だからさあ…」
「いつから歳を上にサバ読むようになったんじゃ〜! おまえは!」
「外だと鳥はもっと遠くにいるから、このカメラじゃちょっとねえ」
「魂胆が読めたぞい! もうそのカメラに飽きたんだろ! やっぱりデジスコがいいとか思ってんだな!」
 妻の想像は当たりである。FZ5とTCON−17をまだ本格的に使いこなしてもいないうちに、気持ちはもうすっかりデジスコに向かっているのである。
「だってさあ、颯田 靖さんにいい鳥の絵を描いてもらわなきゃならないし……」
 わたしはてれこんてれこん(てれんこてれんこ?)といい訳をした。

 



              




mk

デジタルズームと併用

スズメも結構かわいい

オナガの尾だけに撮れた

ムクドリも来た

ヒヨドリはうるさいのだ
Yahoo!JapanGeocities topHelp!Me