柴山沼で腰砕け
05年10月2日(日) 「  腰砕け  」

 今年はまだ1匹もワタカを釣っていないことに気付いて、多々良沼へ行こうとカブにまたがった。年間100回以上の釣行をすると漁協に入れると聞いて、毎週渡良瀬川に通ってヤマメを追いかけていた頃に比べるとフライフィッシャーとしてだらしない限りではある。
 まあ、そんなことはいいとして、カブにまたがって15分ほど走るとにわかに腰が痛み出した。路面の凸凹に伴う縦振動がつらい。どうやらギックリ腰が癖になりつつあるようだ。か、もしくは椎間盤ヘルニアかも知れない。同じ格好でじっと座っているとキリキリと痛み出す。そして1時間も座っていると、ついには腰を伸ばせなくなってしまう。立ったままなにか作業している分にはまったく平気なのだが。
 信号で止まる度に腰を浮かして立ち、何とか騙し騙し走っていたが、あまりに痛いので引き返そうかとも思っているうちに白岡町まで来てしまった。休憩を入れる。
 ここには柴山沼がある。今まで1度も何かが釣れた記憶がない沼なので、まあ今日はあきらめて写真でも撮って帰ろうと立ち寄ってみると、親子連れが真剣に釣りをしていた。「お魚居るのに、なんで釣れないの?」とか言っている。
 覗いてみると小さなバスとブルーギルが岸際に集まっている。親子はそれをミミズで釣ろうとしているようだった。無理である、水面近くに浮いてきている魚はまずミミズでは釣れない。魚が待っているものが違うのだ。
 わたしはおもむろにカブからフライロッドを取り出しセットした。ドライフライ(浮く毛バリ)を魚の目前20Cmにフワリと落し、ツツツーッと小虫が動くように引くと ガブッと先ずはブラックバスが食いついた。同様にしてブルーギルとバスを立て続けに4匹ほど釣ってみせると、さすがに親子連れのおとうさんは面目丸つぶれで竿を上げ移動して行った。男女2人の子供の内、気の強そうなお姉ちゃんが言っている。
「とうさん、釣り方を教えてもらおうよ、あのおじさんの毛虫みたいなやつ(フライ)もらおうよ〜!」
 ちょっとエゲツナイおじさんになってしまったが、なあに20年前にわたしがやられたことをそのまま再現しただけだ。あのとうさんにやる気があれば、名誉はすぐに挽回できるはずだ。期待したい。
 その後も適当に釣って、型のいいブルーギルを上げたところで飽きてしまった。飽きるのも仕方ない、ブルーギルなんてアメリカでは子供がフライフィッシングを始める際の最も簡単な入門魚なのだ。そこに魚がいて、そこにフライが落ちれば、必ず食いつく。そして、あの親子連れも居なくなって、釣ってみせる楽しみも無くなってしまった。腰砕け状態になった訳やね。
 帰路の腰痛を考えると気が滅入った。わたしの腰も砕けているのだろうか、痛い。ダジャレを言ってる場合じゃないかもしれない。




  



   
Yahoo!JapanGeocities topHelp!Me