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風になりたかったのだ | |||
2018年07月22日(日)「 ショート・ツーリング 」 海にカヤックを漕ぎに行きたいが日曜日だ。芋洗い海岸は見たくない。 で、久しぶりにスーパーカブで近所を走ってみることにした。車を手に入れてからはほとんど乗っていない。駐車場に2台の車を入れるとカブが通れないというのもあるが、それにしても約1年は乗ってあげていない。かわいそうな事をした。 バッテリー上がりを防ぐために週に1度はエンジンをかけていたので壊れてはいない筈だ。ただ足回りは錆だらけになってしまっている。それと前ブレーキのワイヤーに水が入ってしまったらしく錆びてまったく動かない。後ろブレーキだけでも走れるが、急ブレーキがかけられないというのは自他共に命にかかわる。 「1年も放っといた償いだな」 わたしは笑い、ちょうどパーツの買い置きがあったので午前中に修理をしてから出かけることにした。 暑いかと思ったが、時速30Kmぐらいで走ると涼しいのなんの、わたしは久方ぶりに風になった。風になると人はやさしくなれるものらしい。 実は2〜3日前から「大原麗子さん」に取り憑かれていて(笑)気になって気になって仕方がないのだ。なにがキッカケだったかは忘れたが、その後Web上でたくさんのディープな情報を得たせいで、まるで知り合いだったような錯覚さえ覚えるようになってしまっている。 今年は亡くなって丁度10年目だ。彼女の気性、結婚、離婚、病気、死の真相……単なるファンだが、胸が詰まる思いだ。なんとかならなかったのかねえ。宝くじにでも当たって7億ぐらい持ってたとして、マジで晩年の彼女のお世話をしてあげたかったなあ。 「なんでそんなに麗子に良くしてくださるの?」 「もう少し生きていて欲しいだけですよ」 「少〜し愛して、長〜く愛して。あらイヤだ、何十年ぶりに言ったワ」 フルフェイスのヘルメットの中では何でも言えるのである。誰にも聞かれないのである。 田舎道、農道、林道、トウモロコシ畑を貫く道……全ての場所で風の温度が違う。これがいいのである。 「バイクはホンマのオープンカーや」 「男は2輪、クサヤは七輪や」 「大原麗子さま、今度墓参りに行きまっせ〜」 フルフェイスのヘルメットの中では何でも言えるのである。誰にも聞かれないのである。 |
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