浅瀬は鳥の楽園

これから満ちてくる

千鳥かシギ?

こっちへ来るなという

インターバル撮影

フローズンレモンは味方

2014年08月07日(木)「 洗濯機と栗山川 」

 唐突だが、洗濯機に名前をつけることにした。小さくて、黄色くて、可愛いので優李(ゆり)ちゃんだ。
 2ヶ月前まで布団も洗える大型の静香(しずか)オババってやつがいたのだが、突然人工頭脳がパンクってしまい、息絶えてしまったのである。で、娘が一人暮らしをしていた時のものが倉庫にあったので、急遽ピンチヒッターとしてご登場願ったわけなのである。
 優李ちゃんは体の小ささをカバーする為に回数で仕事をこなすのだ。1日に3回4回は当たり前、実に健気ながんばり屋さんなのである。家族にも「洗濯物が溜まらなくていいわ、かえって清潔」と評判がいい。
 乾燥機付き大型機の購入も考えてはいるのだが、まだしばらくは優李ちゃんの活躍が続きそうなのである。

 優李ちゃんは古風な女だ。名前をつけた手前ちょっと情が移っちゃって、旧型とか型落ちとかは言えない、ハハ。あ、わたしの気持ちなんかどうでもいいのだった。
 だから「洗う」「すすぐ」「脱水」の基本動作をコツコツとシンプルに“おしん”のようにやっているものとばかり思っていたのである。
 ところがである。わたしは先日、偶然にも彼女の奇っ怪な行動を目撃してしまったのだ。何かの弾みで洗濯物が飛び出してしまったらしく、モーターが止まってしまった。すると突然脇からアームが出てきて飛び出した洗濯物を拾い上げ、ドラムの中に戻したのである。
 な訳は無い、面白そうだけど。ウーッ、脱線して行きたいが、まあいいや。
 で、我が人生初めてのことだが、洗濯機の仕事ぶりの一部始終を見てみることにしたのだ。

 汚れ物と洗剤を優李ちゃんに放り込んでスイッチを入れるとグイッ、グイッと右回り・左回りを繰りかえして汚れ物の量を測っている。ま、当たり前というかこれは普通ですね。みんなやってるだろう。適量の水を使うから節水効果も確実に上がるというものだ。
 注水が始まって、ドラムの半分ぐらいに溜まった段階でこれまた右回り・左回りが始まった。細かく動いている。洗剤がまんべんなく繊維の隙間にまで行き渡るように撹拌しながら、衣類を痛めないようにゆっくりと洗い始めたのだろう。と思う。
「わかった!“バーチャル揉み揉み洗い”ってやつだな」
 わたしと優李ちゃんは、もう気心が知れてテレパシーで通じあっているんだもんなあ。フフフッ。
 そのあと、プロペラ(?)が10回ぐらい回っては止まり、逆転で10回ぐらい回っては止まり、を繰り返す。ドラムはこの段階でもう満水になっている。このサイクルを5回やると、次は回転数が増えて頑固な汚れに挑んで行くわけなのだ。
 クーッ、メチャクチャ細かい事をしているのだ優李ちゃんは。参った参った、オジサンは参りました〜。

 圧巻はすすぎに入る前の芸の細かさ。すすぐ前に脱水します、これも当たり前で普通す。問題はその後です。シャワーが2秒、回転、またシャワー、回転、シャワー、回転、そして長めに回りながらシャワー、回りながら脱水、徐々に強い回転に移って行って止まる。同じパターンの逆回転があってやっと満水でのすすぎが始まった。この段階で本当はもうほとんど洗剤の微粒子は残っていないのだろうけど、まだ濯ぐのだなあ優李ちゃんは。人間が手洗いするより、絶対的にパターンが多いのだ。
脱水も然り、細かい回転パターンを3種類ぐらいくりかえして、とうとう終了のブザーを鳴らしてくれたのでありました。
「完璧のペキだ!」わたしは彼女を心の底から尊敬するようになりました、丸。
 次は干すところまでできるといいねえ優李ちゃん。


 栗山川に行ってきた。
「飽きたとか言わないで、しつこく観察すればきっと素敵な新しい発見があります。STAP細胞はあります!」
 と優李ちゃんに言われたからだ。STAP細胞はどうだか知らないが、8月の川風は袂(たもと)に入れたくないぐらい熱いということを発見した。
「利根の川風袂に入れて……♪」は9月以降ってことだろうかなあ。






                  






mk
隅から隅まで覗いてみたい年頃 
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