突然、昭和がやってきた

どっかにまだ有る筈

ビクター製はレア

CD付だ

RC−X35だと?
 
2024年05月24日(金)「ラジカセを買ってみた」

 全部ではないが1977年頃から1997年頃までに作った曲のデモテープが押し入れの奥から出てきた。自分用の曲も有るが他のアーチストに提供したものも入っている。それとビクター音楽カレッジで教えていた時の生徒たちに書いてあげたオリジナル曲が20曲程度。失礼な話だが、アイドルになれるような容姿の生徒はいなかったので、わたしは彼らに「シンガーソングライター」を目指すように指導していたのだ。今だったら“ハラスメント”そのものだ(笑)。で「曲をわたしが書くので作詞は君たち自身でしなさい。それでも立派なシンガーソングライターだ。その出来上がった曲でレコード会社のオーディションに応募しようではないか!」
 結構、熱血先生だった気がする。アレンジとカラオケ制作まで自宅で寝る間を惜しんでやってたからなあ。無報酬でだよ。

「だいたいこういうのは、後で聴いてしまうと恥ずかしい出来なんだよ」と思ったが、聴きたくて仕方がなくなった。「よし、やっぱ聴こう」と決心してカセットデッキを探したが、どこをどう探しても見つからない。有るはずなんだけど結局見つからなかった。最後に使ったのがいつだったか、という記憶もなかった。MDが出た頃にカセットテープには完全に見切りをつけたのだった…かもしれない。

 リサイクルショップへ走った。傷や外観はこの際どうでもいい、再生機能さえ問題なければ良しとしよう。数年前まで¥2000ぐらいで売っていたし、数も結構有った、ちょろいちょろい。
 しかし、わたしの考えは甘かった。無い無い無い。店には2台のカセットデッキが有ったが、両方ともジャンクだった。しかもジャンクなのに¥8000もする。諦めるしかなさそうだった。再生だけだからカセットウォークマンでもいいと思って探したが、そんなものなおさらどこにも無い。もう生産していないものだから、かえって価値が上がっているのかも知れない。???どうかな。

 ふとビクターのラジカセが目に入った。謎のテープも入ったままだ。“♪垂れこめた雲の隙間から一筋光が射すように〜♪。その手があった。
 ここのリサイクルショップのいい所は、電気製品をコンセントに挿して生死及び状態を色々と確認出来る点だ。早速そうしてみると、なんと民謡が流れてきた。生きていた、回転ムラもほとんど無い。ボリュームつまみにガリ(生姜ではありません)があるが、接点復活剤一発で治るだろう。ダブルカセットだしCDももしかして生きているかも知れない。汚いがクリーニングはお手のものだ。¥500だし、使えなかったらポイでいい。

 まだ全て(録音・ダビング等)試していないが再生に関しては問題無し。ただし早送りと巻き戻しが出来ない。「残念!」って感じ。テープの穴にボールペンを突っ込んで手動でテープを巻いていると、やがて「癒しの昭和」がやってきた。
 あ、デモテープの話だった! 結構いい雰囲気の曲が何曲かあって(手前味噌)、是非生きている間に曲として完成させたいものだ、と思った。
「やることが有る」というのは嬉しいものだとつくづく思う。
 小林 倫博