「 思わせぶりだけど……  」

「ぼくの行く場所」なんて気取って、カテゴリー分けしてしまったけれど、これから先自分がどこへ行くのかなんてことは皆目わからない。わからないのだけど一応“行きたい場所”のようなものはある。
 人間の内面をえぐるような文章、そんなものがあるのかどうかは怪しいけれど、おそらくわたしにはそんなたいそうなものは書けないだろうと思うのだ。なぜなら、わたし自身が軽薄短小な人間だからだ。しかし軽薄短小にもいいところもあって、なにか深刻にならざるを得ない事が起きてもどこか心のすみっこで口笛が吹けていた。その「いいかげんさ」のおかげで、わたしは今まで自滅せずに生きてこれたのではないかとも思うのだ。
 
「狐の嫁入り」というのがある。わたしはあの空模様が好きだ。雨は降っているのに空は明るく晴れている。青空から落ちてくる雨は、笑いながらあふれてくる涙のようだといつも思う。人はその雨がいつかやむことを知っているからこそ濡れながらでも歩いて行けるのだ。
 ……そんな感じの文章が書けたらいいなあ、と思う。観念的、感覚的な説明なので解り辛いとは思うけれど、それがゆえにわたしの文章は弱いのかもしれないけれど、最後は虹が出て、また何事も無かったように時が流れて行くような、そんな日常のひとこまを文章にできたらいいなあ、と思うのである。
 一言でいうならば「明るい私小説」なのかもしれない。

 で、この「ぼくが行く場所」には、結局現段階では載せるものがないような気になってしまったのだ。以前は少し長めの作文などをここで発表させてもらっていたが「僕の行く場所」という訳でもないような気になった。
 なので、今回の更新でここには、今現在わたしの中に構想やプロットのある作品の「タイトル」と「あらすじ」だけを載せることを思いついたのだ。だから、この“思わせぶり”以外はクリックしても「工事中」になるだけである。我ながら姑息なことを考えついたな、と呆れる。
 一刻も早く作品に仕上げて、上の「時には襟を正して」に加えられるよう頑張りたい……ものだ、なあ。  




              





ぼくの行く場所