免許返納の日は近いかも…

ぶざまな姿

なんだなんだ!

もう一回削るか
 
2024年09月20日(金)「認知機能の低下」

 記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力などを総じて「認知機能」と呼ぶようだが、70歳を超えてからはそれらの低下を実感するようになった。
 9月4日、車庫入れの際に「ちょっとブロック塀に近いような気がするなあ」と思いつつもそのままアクセルを踏みこんだ。ガガガガーッ、隣家の人が飛び出して来るほどの音がして車の左側ボディが一部めくれてしまった。
 別の車を止めての車庫入れだったので、多少の焦りは有ったがまさしく判断力の低下だったのだろうなあ、と今は思う。あまりのショックで「アワワワー」としか言えなかった。こっちは言語能力の低下だ。

 12万Km以上走っているポンコツなので修理に何十万円もかけるのはもうバカバカしい。2週間ほどそのまま走っていたが、やっと羞恥心が芽生えてきてDIYで直そうという気が芽生えてきた。推進力だけはわずかに残っているのだろうか。
 めくれた部分は切り取った。車のボディを切るなんて初めてのことだ。強刺激で認知機能が戻るような気がしたが、そんなことはなかった。飛び出し部分を内側へ叩き込んでパテで埋め、最終的にはサンダーで削って平面に仕上げる。もちろん塗料の型番も、仕上げ用のクリア塗料の型番も調べて揃えた。

「遂行力、遂行力!」と歌いながら、作業はどんどん順調にすすんでいった。そしてほとんど平面まで削ったところで、悪魔がささやいたのだった。
「もう、ええんじゃねえ?」
「そうかなあ」
「あんまり削ると下地の細かい穴がまた出てくるど」
「そうだな!」
 内心、塗料を早く塗ってみたい気はしていたのである。おまけにシルバーが乾ききらないうちにクリアーまでかけてしまった。後の祭りである。クリアーは白濁し、垂れて流れてそのまま固まった。氷菓子みたいだ。
 判断力が相当に低下しているようである。

「もう一回削って塗り直せば?」と家人は気楽にいうが、遂行力が尽きたような気がしないでもない。アワワワー、そういえば泡になってる所も有るなあ。
 小林 倫博