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魑魅魍魎」を読みなさい
 

平日なのに

小さい空き見つけた

7匹を笑うな

ザックリ開く

コレコレ〜

赤提灯は定番
2021年09月14日(火)「2泊3日の2日目」

 はやる気持ちを抑えつつ、早起きして「罠」をあげる。が、カゴ類には何も入っていなかった。昨夜見たボラの赤ちゃんたちもお家に帰ってしまったらしい。もっと悲しいのは「小潮」だった為に川底が露出しており、延縄(はえなわ)が丸見えになってしまっていたことだ。ハゼが10匹、ウナギが4匹ほどかかっていたはずなのだが、なんせここは白鷺が多くて、おそらくやつらに食われてしまったのではないかと想像する。次は干満の水位の変化がなるべく少ない場所で漁をしよう。漁協が有る所だと捕まるかもなあ。

 サクサクッと片付けをして銚子外港を目指す。栗山川から約1時間の距離。サビキ釣りでサバが上がっているという情報を得た。サビキなんて女子供の釣りだと馬鹿にしていたのだが、2日目となると食材が少ないので、何が何でもお魚さんを釣らなければならないのだ。フグでも大物が釣れたらなんとか食う覚悟で臨まなければならない。おそらく死ぬけどネ(笑)。
 
 到着。が、平日だと言うのに先客多数。20〜25Cmほどのサバがポンポン上がっていて、ジジババ子供がキャーキャー言っている。遅れを取ってはならじと早急に準備をして投入。ほどなくネモッちゃんに当り、ほっと胸を撫で下ろす。中型だがこれなら開けるサイズだ。
 ポツポツと釣れてコマセ(撒き餌)が無くなった。集魚力を上げようとネモッちゃんがカゴを2つ付けたり上下で付けたり、同じ目的でわたしがバンバン撒き散らしたりしたせいだ。おかげで隣のオヤジがバンバン当たり始めたりしたが、まあこればかりは仕方がない。女子供の釣り…なんて言った事への天罰であろうか。
 結局7匹で納竿。餌の再調達に走り回るのも、買ってまた舞い戻るのも面倒になって、結局諦めてキャンプ地の栗山川へ戻ることにした。途中、ギョウスー(業務スーパー)に寄って食材を追加調達。またまた早い時間から酒池肉林だ。

 無水鍋の蓋の方にオリーブ油を3mm程の深さでいれ、片栗粉をまぶしたサバの開きをジュウジュウと揚げ焼きにすると、ひしひしと久しぶりに喜びが込み上げて来て「幸せ」を感じるのであった。「コレコレ〜!」を連発。青物の魚はやはり美味い、次はブツ切りの味噌煮をやってみたい。20匹ぐらいは必要でしょうな。

 
 夜半から雨、前回謎の「狸親父」が飲み食いして消えたが、今回赤提灯に引き寄せられて来たのは「猫姉さん」である。微妙なタイミングで現れては消え、現れては消えを繰り替えし、猫舌のはずなのに熱い鶏肉を咥えて藪の中に駆け込み、そこでゆっくりハフハフと頬張っていた。渡り鳥の会の会員3号にしてやった。
 猫なで声で「次はいつ来るのよ?」と聞いてきたので、「10月はまだ決まってない…」と藪を覗き込んだ途端、猫背の人間の娘さんがふいに立ち上って、そして走り去って行った。
 ちょっとここは不思議な場所かも知れない。魑魅魍魎(ちみもうりょう)の住む河岸であろうか。今度「サバ娘」なんてのが出たら、是非釣ってやりたいものである。ピチピチ、ピチピチと暴れるんだろうなあ。仕掛けはもちろんサビキ仕掛けがよろしいかと……。
 小林 倫博