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鮫は動いていないと死ぬらしい | |||
2016年03月29日(火)「 休日の方が忙しいわたし 」 義母が昔「小林さんは鮫ねえ」とよく言っていたものだ。 鮫には鰓蓋(エラブタ)が無いので止まった状態では呼吸ができない。なのでしょっちゅう動いていなければならないわけ。まあ、まめに動いていて感心だわ…ではなくて、落ち着きのない人ねえ…の意味だったとは思うけれど。 休みにはあれもしよう、これもしようと欲張るので家族はたまったものじゃない。 「ねえ、もう若くはないんだし、足もまだ痛いんでしょう? 今日ぐらいじっとしてたら? 次の休みは4月の16日よ〜! 休養しとかないとバテルわよ」 弁当を作らなくていいのでゆっくり寝ていられると思っていた妻は、5時過ぎに起き出したわたしに呆れ顔をする。心配してくれるのはありがたいが、動き回るのを止められたら、おそらくわたしは心の病に陥ると思う。 6時半に犬の散歩に出る。娘や妻が行(け)かない、ちょっと危険な山道や林道に入り込んだので、わたしの“肉離れ中のふくらはぎ”はチクチクと痛んだ。が、そのまま荒療治を続行。 肉離れといえば普通はアイシングと安静と決まっているようだが、実際そうして積極的に患部を動かしてしまった方が治りが早いのだとWeb上で言い切っている整形外科のドクターが何人もいるのだ。まあわたしは鮫だから、都合がいいのでそっちに賛同しちゃっているわけやネ。 8時には帰宅。エゴマ油を飲んで、サラダを食って、不味いトンコツラーメン食って、紅茶を3杯飲んで、さあ庭仕事である。ひととおり庭全体の草むしりを済ませて片付け終わる頃にはもう10時半だ。 一昨年、隣家の屋根に積もった雪が崩れ落ちて我家のブドウ棚を破壊したが、さらに昨年立てかけてあった梯子が突風で倒れて、現在棚は壊滅状態である。色々考えた末に、足場パイプで超頑丈な棚を作ることにしたのだ。1トンぐらい実が成っても大丈夫そうな奴よ。で、一息入れたあと近所のホームセンターで価格のリサーチ。なんとかギリ1万円ほどでは出来そうである。 帰宅すると家人が皆起きていて「腹減った、腹減った」という。時間が惜しいが、土気駅前の「浜寿司」へ行く。美味くはないが、平日一皿90円なのでまあ許す。その他は特に書くこと無し。ここは1年に1回でいい。 帰宅して庭の鉢物類の手入れ。冬前の刈り込みを手抜きしてしまったので、バラ類がもうすっかり葉をつけてしまっている。ちょっと貧弱に育つ可能性が大だが、もう余計なことはしないことにした。 「置かれた場所で咲きなさい」という本がなにかと評判(?)だが、本物の植物たちにとっては置かれた場所で咲くのが普通なのである。自分は不運だ、不遇だと考えるのは人間だけかも知れない。 「そんな本を読まなくったって、ほとんどの人々は自力で強くたくましく生きてるって〜! 」 わたしはバチ当たりなことを考える。シスターが書いた本なので、アーメンだ。(本当はすご〜くいい本です) 化成肥料を買い忘れたので、またさっきのホームセンターへ。 ホームセンターに行った目的はもうひとつある。キャリーカートの丈夫そうな奴を探しに行ったのだ。利根川下り計画が進行中だが、“ゴムチューブ膨らましカヌー”ではなくて“パイプ組み立て4.8m布張りカヤック”をやっぱり使いたくなったのである。こちらの方が断然安全である気がするのだ。この船は絶対に沈まない。タイタニックは沈んだが、利根川に氷山は無いのである。何を言っているのであろうか? ので、それなりにちゃんとしたキャリーカートが必要になってくる。電車にも乗るから“見てくれ”も大事だ。が、あいにくそのホームセンターには置いてなかった。 で急遽、茂原のカインズホームまでカブで行く。そして無事に入手。一つひとつ必要なものを揃えてゆかねばならない面倒さはあるが、まあ、それが楽しいんだけどね。もっともこのキャリーなら、80歳ぐらいになった折りのゴミ出しにも活躍しそうではありますナ。 春の休日は本当に忙しい。そしてあっという間に夕方になってしまった。 ユスラウメの花を眺めながらやがて付くであろう赤い実に心をはせる。だめもとで蒔いておいた同じくユスラウメの発芽にも希望が沸いてくる。去年よりも大きく咲いたデンドロビュームの黄色い花は「まんざら捨てたものでもない人生」を語っているようだった。もうそれほど遠くまで行けやしないのはわかっているのだ、行けるところまで行けばいいではないか。 突然桜を見たいと思った。まだまだ千葉のチベットでは早いだろうな、と思いつつ少し肌寒くなった里山を走り回る。そして思いはあっけなく通じた。バチが当たらぬ程度に手折って持ち帰る。 「ほらほらほら」と、子供のように誰かに見せて威張りたくなってしまった。 ライン用に写真を撮った後、ひとりロックで焼酎を飲み始めると、ハラリと花びらが風に舞ってグラスの中に静かに落ちた。 ……というのは嘘、ひひひ。 |
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