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ワインの仕込みの季節なのだ | |||
2015年09月06日(日)「 くちさけおんな 」 “くちさけおんな”は“口裂け女”ではない。“口酒女”である。口が酒臭い女という訳でもない。口から酒を吐く女でもない。口移しで酒を飲ませてくれる女はいいが、朽ちて裂けた女は怖い。何を言っておるのだわたしは! 仲間から忠告をされたのである。 「小林さん、男の失敗の3大要素です。口と酒と女にはくれぐれも気をつけてください。もう歳なんですから、自分の力を過信しないように、これから先は大人しく、大人しく生きていってくださいよー」 なんでやねん! なんじゃそりゃー! だ。 なので本日、試しに口と酒と女を同時にやり、本当に間違いが起こるのかどうか実験することにしたのだ。 豚味噌の会の玲奈会計担当がブドウ狩りに来るので「異性であることを意識し合い、ののしり合いながら、酒を造る」というイベントを実行しようというわけである。ちょっと違うんでねえの? とは思うがな。 土気に着くなり彼女、腹が減った減ったというので「まったくお前は食うことばかりだな」とののしりつつ、カレーを作ってあげる。テイタラクだ、わたしは男じゃないのかもしれない。 降雨確率80%なのに、まだ曇りである。普段の行いがいいのだ。カレー満腹パワーで持ちこたえた腐敗寸前のブドウ5Kgを収穫。結果往来だが、故に非常に甘い完熟ブドウが得られる結果になった。 「(ブドウを)食ってばっかりいないでちゃんとワイン用に収穫しろ、もっと家畜のように働けよ」と強くいうのだが、お母さんへのお土産用の綺麗な房集めに夢中になっている。 「あ、こっちのほうが綺麗だよ」などとわたしも集める。だめだ、わたしの電子頭脳には“異性にはやさしく”とインプットされたままなのだ。 午後一、気分を変えて「栗拾い」に行く。「栗盗り」に近いが、まあ女と一緒だから捕まっても許してもらえるだろう。 「もっと早く歩けよ! 脂肪を消化しないと坂道で転がるぞ!」 まったくこたえない様子。「疲れた疲れた。会長あと何分ですか?」を連発。相撲部屋の親方に倣ってケリを入れたが、はね返されてしまった。な訳はない。 家に戻りワインの仕込みを再開。彼女の“テレビを観ながらのスロー作業が効を奏し、非常にマイルドなブドウ汁が完成した。 「なかなかだねえ! やるねえ! 上手いもんだネ手で揉んだ!」 褒めてどうする、駄洒落まで入れちゃって! 口酒女に気をつけろ! とはよく言われるが、まあどうってことはないのが分った。 そうだ! 口の中で酒を造ってしまう女のことってのもあるなあ。それと…口に酒を含んで火を噴けばロシア女だ! 何を言っておるのだ、わたしは。 |
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