「 ポケットクラリネット 2 」 05年04月05日(火)
春になったらあれしよう、これしようと思っている内にとうとう4月になってしまった。一応パソコンのデスクトップに「05年アウトドア計画」というアイコンがあり、クリックすると実現させたいと思っている計画を列挙した「メモ帳」が立ちあがるようになっている。
「2泊3日、カブで日本横断“寺泊”まで。新潟の海はすべてが日本海」なんて大掛かりなものから、「都営荒川線の旅、終着駅で“野点(のだて)”に執着」なんていう何の準備も要らない洒落のようなものまでいろいろ書いてある。すでに、それぞれに副題じみたコピーがついているのが恥ずかしい限りだ。「フィールドノート用」に日々行動しているのが見てとれる。(人ごとのように言う)
絵の方も、音楽の方も再始動させるべく、絵の具を買い込んだりアレンジソフト(ヤマハSol2というやつ)を買ったりと準備は整いつつある。
ますます器用貧乏になりそうな気配もあるが、不器用富豪という言葉はないのだから恐れることはない。富豪(大成者)もおそらくほとんど器用な人だと思うよ、などと嘘吹きながら色々と手を広げつつある最近であります。
で、今日はそのメモ帳の中から「ポケットクラリネットの製作」を実行することにした。そもそも以前にクラリネットは買ったけれど修理の必要もあってまだまともな音が出せないでいるのだ。さらにタンポを全部交換してコンディションをベストにしたとしても、すぐに吹けるわけじゃない。もっと簡単に吹ける“クラリネットもどき”は無いものかとネット上で探し、資料・材料を集めていたのだ。機は熟した、な〜んてね。
以前にオークションでクラリネットのマウスピース部分だけ¥300で仕入れてあったので、あとは塩ビパイプを規定通りの長さに切って空気漏れのないように取り付けるだけだ。サクサク作業を進め、30分で本体は出来た。
とりあえずこの段階で吹いてみる。オー! オー! 立派にクラリネットの音がした。感激である。まだ穴があけてないので同じ音しか出ないが、気分はベニー・グッドマンならぬベリー・グッドマン、強弱と首振りだけで1時間は遊べた。妻が「尺八を買ったの?」と部屋を覗きに来たが無視したもんね。
さて、問題の穴あけである。ネットサイトの教えの通り、1mmの狂いもなく印を付け、まず焼いて熱くなった千枚通しで小さな穴をあけた。その後電動ドリルでとりあえず5mmの穴をあけ、試奏である。
? 確かに音階はついているのだが、普通のドレミファじゃないのである。なんか妙にエスニックだ。コブラが踊り出しそうである。
「インド人かお前は!」妻が体をよじりインド風の踊りのまねをしながら、またわたしの部屋を覗いて今度は逃げた。それでもまたそれで1時間遊び、音だけは堪能できたが、それでいい訳はない。
ネットサイトをよくよく読むと、まともな音階のものができるまで十数本の試作をした、とある。
「え〜!?」と思ったが、このままこのわたしの第1号機をアウトドアで吹いたりしたら、春たけなわということもあって薮中の蛇が踊り出してもこまるしなあ、外で吹くのはまだ無理だなあ、とあきらめた。
飽くなき挑戦が始まった訳である。ここで止めるわけにはいかない。
なぜならわたしがどうしてもアウトドアで吹きたいのは「インド人の踊り」じゃなくて「ダッタン人の踊り」<歌劇『イーゴリ公』(A.ボロディン)>なのダッタン。
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