「 公園デビュー 」
「写真の中のウーロンがすべてを語ってくれています」とか言っちゃって、ご主人様は今回、な〜んか手抜きくさいニャ〜
「 公園デビュー 」     2005年1月24日(土)

 去年の10月に我が家にやって来た「ウーロン」は、順調過ぎる程に大きく育ち、ハードにいじりまわさているせいかオス猫のように気が荒い。
 とにかく高い所が大好きらしく、巻いて納ってあるジュウタンの柱をスタート地点にして、タンス、カーテンレール、神棚、本だな、テレビなどの上に独自のランニングコースを設け、ある時はモモンガ、またある時はムササビのごとく昼夜かまわず飛びまわっているのだ。おかげで我が家では全員寝不足である。神棚などは罰当たりなことにボロボロ状態だ。夜中にお札(ふだ)で遊んでいるのを娘が目撃している。
「力があり余っているのねえ」
 窓から、ガラス越しに外のカラスを視線で追いかけるウーロンを見て、妻は少し寂しそうな顔をした。わたしはそういうのに特に弱い。
「キャンプ場にでも連れて行くか……」と、わたしは言った。
「ウーロン、ウーロン! キャンプ場ですってよ! パパにちゃんとした素敵な写真を撮ってもらいましょうね〜、デヘ、デヘデヘッ」
 妻は最近、わたしを乗せるのが実に上手い。

 最近のデジカメのCMを見ていると、やれ500万画素だの600万画素だのと、あたかも画素数が大きい方が画質がいいような言い方をしているけれど、それは間違いである。画質はほとんど同じ、大きなサイズの写真が撮れるだけだ。だからA3とかの大きな紙にプリントするなら話は別だが、ハガキぐらいの大きさにプリント、もしくはWebなどで使用する分には150万画素もあれば十分なのだ。オ〜ッホッホ、釈迦に説法ではあった。

 で、ウーロンの公園デビューだ。公園デビューというと娘の小さい頃を思い出す。「子供は父親といる時間が長ければ長いほど知能の発達が早いらしい」と聞いたものだから、いつも妻を押し退けてわたしが連れて行ったものだ。 それはまあ本当のことだったような気もするが、ただ“ませたガキ”になっただけのような気もする。そして人間なんて20歳を過ぎればみんな同じ「ただの人」だ。ある意味、そこがスタート地点でもある。実に深淵だ。
 それと、あの頃あの公園でいつも見かけたあの奥さんの「へそ出しルック」は、今は絶対見たくないなあ、てなことも同時に考えながらシャッターを切る。実に軽薄だ。

 動物写真は視点が全てだ。地面に寝ころがり、這いつくばりながら自分も猫になった気で撮る。う〜ん、ウーロンはなかなかいい女だ。成長するにつれ、サバトラの縞模様の下に白、黒、抹茶、ゆず、レモン……じゃなかった、黄色の柄が浮き出てきて、超雑種の血統がすばらしい。
 絵的には首輪とリードが邪魔で、かわいそうでもあったのだが、1度外した時、途端に逃亡、木に登って降りてこないなんてことがあったものだから、しかたなく着けたままにした。
 まあ多くを語る必用はないでしょう。写真の中のウーロンが全てを語ってくれています。好奇心むき出しの目、落ち着きのない挙動、飼い主にそっくりじゃないか。少しもじっとしていない。
 今は亡き義母が、わたしのことを「鮫のような人」と言った。じっとしていると死んでしまいそう、という意味だったらしい。(鮫はエラ蓋がないので動いていないと呼吸ができないのだ)
 そういえば猫の目って、鮫の目に似ている。




             





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