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「豚を食う会」になりつつあるな | |||
2018年04月29日(日)「ケツカッチン」 「3ヶ月毎に開催」と決めてある訳ではないのだが、今回もまた測ったように3ヶ月振りの食遊会である。おそらくこれが2人のバイオリズム(笑)なのだろう。情けない気がしないでもないが、遊んでもらえるだけ有りがたいと考えなければならない。 10時20分、豚味噌の会の玲奈ちゃんを土気駅で拾う。 「直で行くよ」 「オーケーです。まだ有りますかネ?」 「大丈夫だと思う、2〜3日前にも2個採ったから…」 「昔行った所?」 「そう、覚えてる?」 「丁度3年前ですかね〜会長…」 ジジイと小娘の付き合いもついに4年目に入った。 今日のプランは、午前中にタケノコを掘り、その後昼飯を茂原の「豚食健美 優膳」という店で食うというもの。食べログ評価3.58の千葉県では1、2を争う優秀なトンカツ屋だ。豚屋さんなのに大粒カキフライもかなり評判がいい。きっと素材がいいのだろう。 その後は……時間があればカケス谷でクレソンを採り……近所の創造の杜公園で梅の実を採り……そしてもっともっと時間があるようなら鵜原まで行ってウニ(!)を採って……とジジイは食物採取大作戦を妄想するのであった。 「今日はゆっくりできるの? 夕方スシロースイーツ行けそう?」 「うっ……、すみません会長〜、今日は15時44分の電車には乗って帰りたいんです」 「あらら、ケツカッチン?」 「そう、ケツがカチンカチンやで……何でやねん!」 まあ玲奈ちゃんのボケは嘘だが、要するにそういうことなのだ。 芸能界用語でケツカッチンは「後に別の予定が入っているのでのんびりはしていられない」という意味である。トホホホ…。 時期的にはかなり遅いのだが、なんとかタケノコ4本をゲットした。手際よく皮を剥く方法を先日プロから伝授してもらったので、現場でザクザクと処理して剥き身にした。その場でしか食べられない貴重な先っぽ部分を彼女に生で食べさせてみたが、エグいとおっしゃる。野趣に富んだ味は小娘ちゃんは苦手のようだった。 「豚食健美 優膳」は評判通りのいい店だった。玲奈ちゃんは「吟上 ロースカツ」を、わたしは「吟上 ヒレカツ」を注文し“はんぶんずっこ”にした。双方とも肉が柔らかくて上品な味。鳥の胸肉にも似た食感。ボリューム的にも十分だった。 単品でたのもうとしたカキフライは時期的に既にメニューから外されており、残念だが次の機会に持ち越し。代わりにたのんだ鯛の切り身のカルパッチョが見た目も美しく大いに気に入った。前菜のようにして先に食ってしまったが、トンカツの口直しにすれば良かったと後で思った。 ケツカッチンなのでクレソンも梅もウニも諦める。近所のイチゴ農園に寄って大粒の美味そうなやつを1パック買い、我が家へ戻った。 犬と一緒にイチゴを頬張る彼女を見ながら、わたしは彼女のお母さんへのお土産用にタケノコ2個を大急ぎで茹でた。部屋にタケノコの臭いが漂い、彼女は犬を抱き締めて「大きいですねえソラ君〜、いいお父さんでいいですねえ〜」などとジャレ合っている。屈託無く呆れるほど無邪気だが、まあそこがわたし的には気に入っているのだが、よく考えれば彼女だってもう十分大人の女なのだ。 わたしはふと「ところで彼女の後の予定って何なのだろう」と少し唇を尖らせて思った。 聞くに聞けないケツカッチン、聞かぬが華のケツカッチン、ああケツカッチンケツカッチン、頭の中はケツだらけ。馬鹿だ俺は。 |
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