わたしはまだ5回はできるな

飽きたら耐震棒になる
 
2024年08月19日(月)「懸垂棒」

 先日、妻が「懸垂が出来るようになりたい」と言いだした。おそらく…パリオリンピックでボルダリングの競技を熱心に見ていたようなので、そのせいだろう。ボルダリングを始める前にせいぜい懸垂ぐらいは出来るようになっておこうといった魂胆だ。

 庭に鉄棒を作ろうかとも思ったが、そうなるとわたしもやりたくなって、大車輪などに挑戦して(昔70歳超えた爺さんが大車輪をするCMがありましたな)落ちて死ぬなんてことになりかねない。なのでやめた。物干しになるのが見えている。

 調べてみると「懸垂棒」なるものが売っていることが分かった。壁と壁のあいだに設置するもので、まあ早い話が強力な“突っ張り棒”だ。160Kgまで大丈夫と書いてある。中国人はいろんな物を考える。中国人を信用していないので、万が一のために「滑り落ち防止の木片」を壁に取り付けたが、これで「壁に傷をつけることもなく…」という謳い文句はわたしによって却下された。だって59Kgのわたしがぶら下がると「ギシッ」と音がするのよ、ヤバイでしょ?

 3日ほど練習した妻が「分かった、懸垂は気合だった」とよく分からないことをいうので見させてもらうことにした。
 棒から額ぐらいがやっと出ている。「ね?」って言うが、何が「ね?」なのか分からなかった。気合が足りないようだ。ま、楽しければそれでいいのである。老後の哲学だ。

「壁に石をいっぱい引っ付けて、私登るからお願い!」と言われればわたしは、そうするだろう。世間体を気にしてはいけない。これこそジジイの哲学である。
 小林 倫博