SAKURA  INTERNET
長年の不義理をお許しください

このぐらいの街はいいネ

ネモッちゃん

元祖「白熊」

吾愛人(わかな)

篠崎先生、78歳
 
2019年03月26日(火)「故郷に遊びに行く@」

 故郷(ふるさと)・鹿児島に2泊3日で遊びに行ってきた。年下の上司“ネモッちゃん”が「どうしても1度は鹿児島に行ってみたい」と言うので、ヨッシャ〜ということになった訳である。

 22年振りの鹿児島、もう親兄弟も居ないし親戚との付き合いも無いので、帰省という感覚は無いのだが、じゃあ100%観光かと言われるとそれもまたちょっと違うような気分だ。わたしにとって、鹿児島は特別な場所である。当初、父母の写真でも持っていってやろうかと親孝行なことを思っていたが、何を食おうか食わそうか…ばかり考えていたらすっかり忘れてしまった(笑)。

 とは言っても終活的な意味で(またかい!)やっておくべき事を一応5つ上げた。
@中学2年時の恩師「篠崎眞康先生」に会う(諸々の詳細は『2018.01.01篠崎真康先生』で)
 今年(も)頂いた年賀状に「今後もう会うことは無いのかねえ」と書いてあり、胸が熱くなってしまったのだ。

Aラーメン専門店「鷹」のラーメンを食う
 かたくなに伝統の味を守ることの是非はともかく、鹿児島ラーメンの本当の味を舌に覚え込ませて死んでいきたい、と思うのであった、丸。

B桜島一周をする
 裏側に行った事が無い、というのが気になって気になって、このままでは死ねない。意味は無いが、西郷どんに申し訳ない。

C天文館で呑んだくれる
 18歳で上京したので、友人達と繁華街で呑んだくれたことが無かったのだ。帰省時、実家で飲んでもあまり面白くなかった。……ま、この目的はおのずと毎晩達成できそうだが。

D実家がもしまだ有ったならキチンと写真に残しておきたい
 グーグルのストリートビューではまだ見られたが……姉貴が見たがっている。

 前置きが長くなってしまった。
 何やかんやで天文館に到着したのが17時、早速「むじゃき」の「白熊」を食べに行く。ネモッちゃんはスイーツ研究家なのでここは外せない。篠崎先生にTELを入れて「むじゃき」まで来てもらうことにした。先生は実は空港まで迎えに来てくれていたのだが、タッチの差で間に合わずお会い出来なかったのである。
「驚かそうと思ってやっぱり迎えに来たんだよ」
「バスがもう動き出しました、先生」
「よかで、飛び降りろ」
 先生、そういう訳には行かないことがこの世にはいっぱいあるのですよ。

 有名な郷土料理屋「吾愛人(わかな)」に連れて行ってもらい大宴会。3人共、年齢も持病も忘れて呑んだくれた。死ぬ時は死ぬさ。
 話が大いにはずんだのはいいのだが、先生が笑いながら口をすべらせた事が、わたしを一気に45年前にワープさせた。当時、3年程(18〜21歳かな)付き合っていた彼女(中1時の同級生)がいたのだが、わたしが上京して歌手デビューし、結局別れてしまったのだった。人もうらやむ程の仲良しだったので友人たちもその破局にびっくりし、口々に「小林は最低の男だ、東京で女ば作って乗り換えたらしか、かわいそうなMちゃん、みんな小林のレコードなんか買ったらだめだよ〜」とか、相当評判が悪かった……というのである。ま、その通りだから文句は言えないが、先生よお、もう遠い話なんだから急に思い出さないで下さいよう(笑)。
 先生の幼馴じみがやっている店に移り、カラオケで井上陽水の「いっそセレナーデ」を歌うと、先生が声を出して泣いてくれた。
「小林、小林、聴きたかったよ〜。良かった、良かった、ほんと会いに来てくれてありがとう」

 ネモッちゃんが絶妙のタイミングで先生を抱きかかえて慰めている。
「先生! また来年も小林さんを連れて来ますから。俺もまた来ますから!」
 マジか? 


(Aにつづく)