実に20年ぶりの父兄参観日であるなあ!
2010年10月10日(日)「 父兄参観日 」

 1、2ヶ月もすれば落ち着いて飽きるだろうと思っていた「犬との生活」も、早5ヶ月目に入った。飽きるどころか楽しくて楽しくて、遊び回ってばかりいるのでホームページの更新が2ヶ月以上もおろそかになってしまった。九十九里海岸では今、堤防からアジが入れ食い状態らしいのだがあまり食指が動かない。こんなことは初めてである。物と違って、生き物とは情が通い合うので関係は深くなる一方だ。言い訳だが……わたしはまったくもって情にもろい。情に振り回され続けた人生だ……。

 空(犬の名前)は体重16kgになった。筋骨隆々、かなり大きめのビーグルに育った。空腹の辛さはわたし自身もよく知っているので、かわいそうでついつい食べさせてしまう。しかしペットの肥満は飼い主の恥(責任)だ、絶対に避けなければならない。で、かなりハードに運動をさせた。その結果がこのマッチョである。逆にだ、朝晩の散歩と休日のフィールドワーク(遠足?)のおかげで、わたしの方の体重が10kg減った。現段階で50mはなんとか全力疾走できるようになった。そして何よりも椎間板ヘルニアの腰痛が軽減したのが嬉しい。あと2、3kg落として腹筋を鍛えなおせばバクテンができるかも知れない。少年時代からずっと夢見てきたバクテン……骨折するだろうか。

“犬の輪”ができた。散歩をしているとどうしても犬同士がからみたがるので、飼い主同士も自然と話をするようになってくる。名前も住所も素性も分からない(積極的に知ろうとはしない)不思議な人間関係ではあるが、とにかく顔見知りが増えた。マリーちゃんやミューちゃんやリーちゃん、ダイスケ、フクちゃん、トトちゃん、ナナちゃん、etc.のお父さんやお母さんたちである。犬を飼っていなかったら、おそらく話すことなどぜったい無かった人たちだろう……と考えると、奇妙な感動を覚えたりする。いい年をして、わたしは田舎の少女(失礼?)のように感動屋でもある。困ったもんだ。
 
 わたしのビーグル好きが高じて犬を飼い始めたわけなのだが、最近では妻も娘もすっかりこの犬種が好きになったようである。散歩で同じ年ぐらいのメス犬を見かけたとか、レモン(色の)ビーグルのマルちゃんは保護犬(捨て犬)だったんだって! といった種々さまざまな情報を集めてきては、近隣のビーグル犬分布図をほぼ完成させつつある今日この頃である。他の犬種より運動量が必要なのでちょっと飼いづらいという難点もあるのだが、スヌーピーのモデルだったり、底抜けに明るい性格が好まれてか安定した人気があるようである。予想した以上の数がいる。
 さらにネット上で情報を集めては、しつけや健康のためのノウハウをうっとりと楽しそうに受け売り講釈し合っているのである。ビーグルは多少他より匂いが強いが、妻などは「この香ばしい臭いがもうヤミツキ」などと言いだす始末である。
 とそんなある日、「三匹が行く!」という人気ブログをやっている人がごくごく近所にいるらしいことがわかった。ビーグルばかり4匹(?)も飼っていて、日々の出来事をこと細かく発信しているらしいのだ。妻いわく「面白いだけじゃなくて貴重な情報も多い」らしい。
 わたしは4匹のビーグルがいっしょに散歩するのを見たくなった。ひそかに鵜飼いを連想しながらだ。で、そのブロガーの散歩コースや見かけた時間を人に教えてもらい、こっちの散歩をわざわざずらしてなんとか遭遇したいものだと挑戦したのだが、ついぞわたし自身は出会うことはできなかった。老若男女の4匹がゆえ、暑い夏場は散歩自体をやめることがあったのかもしれない。
 縁は追うと逃げるというが、そういうことはやはりあるのだろうか。猛暑の夏がひととおり落ち着いて涼風が吹き始めた頃、ついにそして実に普通に散歩の途中で妻がその4匹に遭遇できたのである。ブロガーは鵜飼いも上手いが、ファンの扱いもとても上手かったらしい。初対面なのに気さくに「よかったらオフ会に来ない?」と誘ってくれたというのである。妻は有頂天になった。

 前置きが長くなったが、そういう訳でめでたく本日の父兄参観日となったわけなのである。“オフ会”というのが“オフラインミーティング”というもので、Web上で知りあった同志たちが実際に会う会合のことだということを初めて知った。そうなんやぁ……時代から取り残された浦島くんの気分。
「ねえ、行ってみない?」妻は恐々とわたしの機嫌をうかがうように小声で聞いた。
 わたしが、そういった類のものをあまり好きではないことを妻は十分知っている。面倒くさがり屋だし、他人と和むまで時間がかかるし、緊張するし、しゃべらないし、オベベを着た犬が苦手だし……。が、知っての上で誘ってきた妻の意図もわたしには分かっていた。空のためを思っての提案に違いないからである。他の犬との触れ合いは絶対に必要であろう。彼の人格(?)形成のためにも不可欠である。メスも意識させたい。わたしは珍しく賛成した。ドッグランで心臓が破れるほど走らせてみたくなった。彼の実力も見てみたかった。おまけに会場がとても近かったのだ。
 
 スイラン・グリーンパークは我が家から車で20分、犬と愛犬家のための遊戯・食事・宿泊施設である。あいにくの雨ではあったが泥だらけになるのは、おそらく晴れていても結局同じである。犬と遊ぶのに天候など関係無いのである。犬より汚れるつもりにならなければ好かれない。関東近県から、泊まりがけ組も含めて約15匹のビーグル犬が集まった。
 同じビーグルとはいっても多様なのだなあ、と改めて感じ入った。大きさ、色柄、尾の長さ、顔つき、どれを取っても個々に違う。長い歴史のある犬種だから、さまざまな因子が年月を経て多様に出てしまうのだろう。見ているだけでも飽きない。空は飼い主に似ず、実に足が長い。
 ただしだ、性格は別物のようだ。性格の半分以上は環境で育成されるのかもしれない、と改めて思わされてしまった。「犬を見れば飼い主がわかる」と世間ではよく言われる(?)が、調子に乗って暴れ回っていたのは我が家の空だけであった。もともと陽気な犬種だが、それにしてもハイテンション、異常な体力と食欲、遠慮や人見知りとは無縁なのである。「僕のものは僕のもの、あなたのものも僕のもの」的な振る舞いである。他の飼い主たちがちょっと辟易とするほどの元気さ。みんな口にこそ出さないが、いわゆる「お行儀」がまるでなっていないので妻と娘はかなり恥ずかしそうにしていた。
 がしかしだ、わたしはかえってそこが自慢なのであった。やんちゃな暴れん坊ほどかわいい奴はいない。そんなかわいい時期はそう長くはないのだ。とてもとても貴重な時間なのである。丸めてこねくり回して小さくしてどうする、思いっきりやらせないでどうする!
 それにだ、決して粗暴なところばかりではないのである。他の若い犬たちに体中をガシガシかじられても声も出さずに遊びを続けていられるし、決して噛み返さないのである。体力と実力のある者、本当に強い者の余裕であるのだ。親馬鹿だが、男はそうでなくてはならない。心やさしいハウンドドッグ(猟犬)を目指すのである。
 
 もっともっと体力をつけさせようと思っている。成犬になれば性格は自然に落ち着くらしい。犬が元気に走れるのが12〜13歳までと仮定して、それに合わせてわたしも70歳までは走れるようにしておかなければならない。笑うなかれ、本気である。当面の目標は100m全力疾走、16秒代が理想である。今年中にはなんとかしたい。バクテンはそれからだ。
 




              




mk
 
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最初はやっぱり恥ずかしい

…が、すぐ慣れる

写真を撮られるのが好き

また仲間が来たらしいぜ

大中小陰陽パー、色々だ

ピンボケだけどこの雰囲気

何食ってんだか!?

興味深々

飼育係みたいなうちの娘

何相談し合ってんだか…
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