最悪の1日だったぜ、まったく
2009年6月3日(水) 「 ホタルブクロに罪は無い 」
宿直勤務が明けて正午頃帰宅した。夜の予定(勤務先女子達交流飲酒会)が急にキャンセルになり、夕方からもう1度出かける手間が無くなったのはいいのだが、なんとなく心に小穴が空いてしまっていた。ま、“ちょっとつまんな〜い”ってな感じだ。ぼんやりテレビなどを観ていると、ここぞとばかりに妻が言った。
「庭から出た要らない砂利を裏山に捨てに行き・た・い・なっ? と?」
「……?、……ウンいいよ、ホタルブクロを少し採ってきたいし」
珍しく利害が一致した。25年も経つと夫婦も利害関係である。
「山での用事」をすべて済ませ、再び住宅街に戻ってきた。後部座席にはつぼみをいっぱいつけたホタルブクロが土付きで10株ほど積まれている。帰宅してからゆっくり庭に移植しようと考えていたのだった。
白い車の側面が突然目の前に現れて、大音響と同時に腹にズンとくる衝撃を感じた。そのまま直進すると相手の車が横転し、コロコロと向こう側へ転がって行きそうな感じがしたので、わたしはブレーキはかけずハンドルを左に切りながらアクセルを踏み、白い車を左に押しやって、横転させてしまう事態を回避した。ま、そういう訳で車の破損は双方かえって大きくなったが、相手に怪我を負わせることも死なすことも無かったのが不幸中の幸いと納得するしか無い。が、どっちにしても最悪な状況ではある。
車中に色々なものが散乱し血が飛んでいた。助手席にいた妻がルームミラーで顔を切り、数針縫った。傷が眉にまたがっていたため、縫う際に医者が「傷跡が残って眉毛に縦にひとすじ、隙間ができてしまうねえ」と言ったそうだ。
「いいですいいです、もう50歳のおばあちゃんですから。もうそんな見た目のことはどうでもいいですよ……って言ってやったのよ私、フフフッ」
妻は気丈にも笑い飛ばしたが、わたしは申し訳ない気持ちで涙が出そうになった。どうでもいいことであるものか、50歳はまだおばあちゃんじゃない。わたしにとって彼女は、いくつになろうが「俺の女」である。守ってやらねばならなかったのに……。
車の無い生活はできない土地なので、早々になんとかしないとマズイ。好きな車なので修理したいが、別途購入の方が安そうである。予定外の金の工面は頭が痛い。最悪の1日になってしまった。が、ホタルブクロに罪は無い。楚々としたかわいい顔で咲いていやがるぜ、まったく。
mk
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もうダメだろうなあ |
相手の車も不動だ |
警察官も大変だ |
結構好きな車だった |