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100%天然ものですぜ

暗い外灯が一個だけ

これは止まっている

光の糸くず

平家ボタルですなあ

照らしてごめん
2016年07月11日(月)「 光の糸屑 」

 家人が皆都合がつかず、犬の散歩が夜になってしまう…という日が時々ある。昨夜もそうだった。帰宅したのは7時15分。
 参院選の開票速報番組のせいで大河ドラマ(真田丸)が7時10分からすでに始まっていた。観たいのは山々だったが後でじっくり録画を観ることにして、とりあえず急いで犬2匹を外に引っ張り出した。
 歳のせいかソラ(犬)が最近は遠出を好まないが、だからこそ少なくても1時間は歩かせたい。わたし自身も結構クタクタ状態だったのだが「よし! 350ルーメンのフラッシュライト(最近買ったLED懐中電灯)を暗闇で試してみるべし!」とわざわざイベント性を持たせての自己激励。

 田園地帯は漆黒の闇だった。雲にくるまれた月光がわずかにあったが物の形はほとんどわからない。猪が出ても気付かないだろうと思った。やや恐怖。
 ところがだ、フラッシュライトが笑っちゃうぐらい明るくて、疲れも恐れも忘れさせてくれるのだった。まるで刑務所のサーチライト(イメージだけどネ)のよう。これがあれば夜のカヌー遊びもイケそうである。
 しかし、お調子者は馬鹿をみる。口にくわえて赤い口を作ってみたり、下から顔を照らして化け物の真似をしてみたり、ちょっと斜めから光源自体を覗いてみたりするうちにどうやら視神経が本当にイカれてしまったようで、糸屑のような光の残像が消えなくなってしまったのだ。
 わたしは後悔しながら何度も何度も目をこすってみたが一向に治らない。飛蚊症を疑ってみたりした。

 八幡橋の下、先を急ぐ(帰宅するとオヤツがもらえるから)犬たちを繋ぎ留めて、わたしは座って少し長めに目をつぶり光の残滓が完全に消えるのを待つことにした。
「もうそろそろ大丈夫だろうか? もう5分は経ったよなあ?」
 わたしは犬たちに言いながらゆっくりと瞼を開いたのだった。
 光の糸屑は消えるどころか、ついに今度は点滅までし始めたのである。やはり相当に目を傷めてしまったようだと不安になった。
 しかしその時だった。そよそよと稲田の上を風が吹いたのだ。そして光の糸屑たちが風向きと同じ方向にフワフワと流れて行くではないか! わたしは思わず叫んでいた。
「ソラくん、ホタルだ!」

 写真はたった今撮ってきたばかりのものである。昨夜同様に今夜もホタルは飛んでいたのだが、ぜんぜん上手く撮れなかった。
 ホタルの写真はどうやって撮ればいいのだろう、ご存知の方がおられたらご教授願いたい。
 23日にヘリコプターでの広域殺虫剤散布があると聞いた。おそらくそれまでの命だろう。まったくなあ…。