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狩猟民族と農耕民族の差はいかに? | |||
2016年05月18日(水)「母の日だというのに」 母の日だというのに何故か施設に顔見せに行く気になれず、自分に言い訳をしながら午前中からカヌーの修理を始めてしまった。先月の20日に見舞ったので、今のところ小康状態であるのは分っている。状況はつかんでいるんだから……というのも逃げ口上のひとつになっている。 「行ってももう誰が来たのかも分らんしなあ」 わたしの言い訳に妻は呆れ顔を隠さなかった。 先日の利根川攻略でカヌーの底が裂けたままだ。ちゃんと修理をしておかないとスケジュールが狂うのである。利根川の次は鬼怒川の予定だし、その次は鵜原の海をやはり単独で漕ぎ進みたい。意外や意外、カヌーを担いで電車で出かけられる場所は多いのだった。 そのためにも完璧な修理を施さなければ安心できないのである。で、今回も裂け目を縫い合わせ、その後両側から補修布(ターポリン)でサンドイッチする方法を取った。縫いつけも含めて、我ながら器用だなあと悦に入る。さらに用心のため、いい機会なのでキール(船底の出っ張った骨の部分)を全部補強してみた。効果絶大のはずである。この手の修理には写真の「PANDO」という接着剤がプロの定番です。1本900円するけれど安心の超強力。3本使った。 乾かす間、農業をする。もとい! 園芸をする。家人が勝手に色んな野菜の苗を買ってくるのだが、何日も苗をほったらかしにしているので、萎びかけていたりする。結局わたしが愛を注ぐしかないのである。プランターを買い、土を買い、支柱も紐もわたし持ちである。で結局実が成れば皆で食うわけで、割りに合わんのである。 まあしかし、トウガラシ類はすくすく育ち、ユスラウメは真っ赤に熟し、バラは芳香を庭中に放っている。これを幸せと呼ばず何と呼ぼうか! 母の日だというのに、とうとう母に会わずじまいだった。 ちょっと後悔しながら、わたしは焼酎を飲みボンヤリと考えていた。 「オフクロが教えてくれたものの中で、今も一番役立っているものは“裁縫”じゃないだろうかなあ? 案外そんなもんかも知れんなあ」 そして同様に、オヤジが教えてくれたもので一番役に立っているのは“野菜作り”のような気がしてくるのだった。昭和30年代、父とわたしは「臭か、臭か!」と大声で笑いながら、畑の畝に何度も何度も人糞を運んだものである。 「やっぱりお母さんの所……行かなかったの?」 妻は呆れた顔をした。 「母親は遠きにありて思うもの」 焼酎のせいで馬鹿な洒落を言ってしまったわたしを、妻は悲しそうに睨み返した。 |
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