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我輩はワインである、名前はまだ無い。

毎年、片づけが大変

握りつぶして汁にする

まるで泥水

網で絞ってカスを除く

4Lの汁と200gの砂糖
2015年08月25日(火)「 エドウィン 」

 世間的にはかなり有名な話らしいが、わたしが知ったのはつい最近、といった事のひとつにジーンズのエドウィンの話がある。教えてくれたのは職場の副将軍、土屋さんだ。(今、職場は幕府制になっていて、将軍とか副将軍という風に互いを呼び合っている。ちなみにわたしは鍵奉行だ。残念ながら大奥は無い)

「ジーンズのエドウィンってあるでしょう? あの社名の由来って知ってます? あれま、小林さんともあろうものが知らない !  あれはですねえ、岡山の小さなメーカーが東京のジーンズメーカーに絶対に勝つぞってんでEdwin(江戸Win)って名前にしたんですぜ〜」
 岡山にジーンズメーカーがたくさんあるのは知っていたのだが……トホ。
「同じくBIG JHONもアメリカのジョンよりビッグでスゲエんだぞ!って意味らしいし、Bobsonってメーカーなんかあんた、アメリカのボブが損をするように…って意味らしいんですぜ、旦那!」
 土屋さんは副将軍のくせに、いつしか岡っ引きのような口調で話すのだった。

 その話を聞いた時、発作的にワインのことを思い出した。何の脈略も無いのだが去年の自作ワインの命名を多少後悔しているからかも知れない。第一弾のワインが「青空育ち」、第二弾が「泡わわー」だもんなあ。第二弾なんか、ちょっとスパークリングだったというだけの理由だ。人間はこんな安易なことではいけない。エドウィンのようなセンスで思慮深く、その名前だけでも売れてしまうような魅力的なものでないといけないのだ。あ、まただ。売ってはいけないのだった。

 豚味噌の会の玲奈経理担当がブドウ狩りをしたいというので収穫を引き延ばしてきたのだが、もうダメだ、限界。木に成ったまま熟しすぎてボタボタ落ち始めた。
 まあ要するに貧乏性なのだが、もったいなくなったのである。で、玲奈女史には悪いが、今にも落ちそうになっている奴を採取して2015年のワイン第一弾の仕込をした。綺麗な房は、となりの奥さんの口封じに使う。落ちてしまったおびただしい実がもうだいぶ臭いし、蠅蚊を呼んでいるのだ。

 ワインといえばイタリアか? ならイタリアウィン……フランスウィン……カリフォルニアソン、パクッただけじゃないか! そうだ、豚味噌の友なんてどうだ? “Freinds of Butamiso”……なんでやねん! だなあ。
 わたしにはセンスというものが無い。 変なやつばかり思いつく。「ご隠居さま」なんてワインは誰も貰ってくれそうにないし、「柿内将軍」「ワイン奉行」「土気のしずく」「ほっ土気」「皮まで愛して」……ダメだ。

 もう寝ます。
 
 
 
※ジーンズメーカーの名前の由来については正式・俗説・都市伝説と、いろいろあるようです。