Yahoo!JapanGeocities Top
能味噌は足りないが、わたしには豚味噌がある
2015年01月29日(木)「 豚味噌の会 」

 小学生の頃の将来の夢は「外人になる」だったが、それよりもっと幼い頃は「総理大臣になる」だった。子供のくせになんでそんな生臭いことを考えたのかよくわからないが、鹿児島というところは負けず嫌いな人たちが多くて「明治維新であんなに貢献したのに、未だ鹿児島から総理大臣が一人も出ていない」ということをえらく気にしているようなのである。で母方のバンカラで血気盛んな伯父たちが、酒宴の勢いもあってわたしをそそのかしてその気にさせようとしたのだった……ような気がするが世の中には反動というものがあって、そしてけっきょく選挙権すら放棄してしまった今のわたしがある訳である。あ、念のために言っておくが禁治産者ではないからな!

 総理大臣や議員先生というのはよくよく考えるとちょっと恥ずかしい職業だと今は分ったし、社長や専務もアホ臭い。が「会長」という肩書きは誰でも何か「会」をこさえればすぐになれる訳で、その分自由で、カッコよくて、興味があって……なので本日「豚味噌の会」というのを立ち上げた。当然会員はまだ一人なので会長はわたしである。絶対、他とはかぶっていない筈だ、と思う。
 名刺やらパンフレットなどもおいおい作らねばならないが、まずは本当に美味しい豚味噌を作ってみせなければ今後会員も募れない。で、かなり強引な企画だと思ったが、本日ここにレシピを公開したわけだ。
 ○○味噌というのは日本中にゴマンとあるのでいまさら珍しくも何ともないだろうが、この豚味噌だけはちょっと違うのだ。前にもどこかで書いたが、薩摩藩の参勤交代時の滋養・栄養・教養の源だった物なのである。三番目の教養というのが疑わしいとお思いでしょうが、世の中にまだビタミンという概念が無い時代に、すでに薩摩には豚肉の脂肪に含まれるビタミンBとE(もちろん名前などまだ無かった)の不思議な力が認識されていたという事実があるのである。それが証拠に薩摩藩の参勤交代ではほとんど病人が出なかったと聞く。つまり明治維新の源でもあったわけで「薩摩隼人に脳味噌は無かったが代わりに豚味噌があった」なんちゃって、県人会に殺されるネ。

 半年以上も保存がききます。が、あまりに美味いので上の写真の量でも一ヶ月でなくなるでしょう。食べ過ぎると血圧が上がりますからそっち方面の人はご注意を。それと、出汁入りの味噌が最近は多いですが、鰹出汁と豚肉が合わないような気がしますので出汁無しの味噌で作ってください。上等の味噌などである必要はまったく無しです。旨みをもっと前面に出したかったら味醂と味の素を少々。
 肉を炒めるのはオリーブオイルが健康的でベスト。今回わたしもそうしました。今流行のココナツオイルもありかも知れません。ちょっと南国情緒が出て、若い娘っこ達が喜ぶかも……。
 また、別の料理の調味料として使ってもベストです。夏はゴウヤやナスの炒め物に加えるとググッと深いですな。

 会の正式名称は「鹿児島秘伝の歴史ある豚味噌を日本に限らず全世界に広める会」なのだけど、まあ長いのでただの「豚味噌の会」にした訳です。豚並みの脳味噌の人々の集まりではありません。
 再度言っておきますよ。会長は俺だかんな!