狩るのは3L、土産は5L

枇杷ソフトは外せない

スナップ

3Lですかね

これが籠盛り

酸味がある田中

果汁がタラタラ

平日は空いている

立派な中トロ

玲奈はエンガワ好き

生のイワシだった

小さな幸せ

母さん土産は5L
 
2024年05月29日(水)「枇杷のち寿司」

「豚味噌の会」の玲奈ちゃんと枇杷狩りに行ってきた。昨年は台風で中止にしたが、一昨年と同じ南房総市富浦町の「お百姓市場」さんでお世話になった。最近は何でも値上がり値上がりで辟易するが、こういった遊び料金も例に違わず大きく値上げされている。料金のことはあまり書きたくないが、一昨年からたった2年で35%値上がりして、大人一人¥3500だ。じゃらんを通すと¥3850、なんとも世知辛い世の中だ。

 狩場まで運んでくれる運ちゃん(ドライバー)が「10個食べると元がとれますよ〜」とか言うのを聞いて、横で玲奈ちゃんが「20個いきたい!」とか言っている。強欲な女である。
 わたしは頻尿、小便漏らしたら恥ずかしいので「俺10個でいいや」と腰を引いて言った。
「漏らしたら漏らしたでいいじゃない!」何て事を言うんだこの娘は!

 案内された枇杷園は、割とまだ若い木の園で太陽燦燦の紫外線地獄。彼女は日傘をさして狩るつもりだったらしい。「日傘なんてさしていられなくなるって」と思ったら、案の定そうなった。
 ここの枇杷園は「籠盛り」というのがあって、あらかじめ前日に収穫したものを少し冷やして足元の籠に種類ごとに分けて用意してくれてある。これが美味いのだ。甘いもの、少し酸味があるもの、などと係員が説明もしてくれる。10種類以上有るらしい。

「30分の制限の中で20個食うためには、狩ってる暇はなくなるだろうな」と思っていたら、案の定15分を過ぎた頃から、玲奈ちゃんは籠盛りのものだけを口にしているようだった。鬼気迫る覚悟すら感じる。わたしは係員の方々としゃべりながら「やや酸味が有る方が好みですワ」などと余裕を咬ましていた。食べながら駆け足の彼女は「スルッと皮を剥ける機械って無いのかしら」とか言っていた。残り2分で最期の1個を口に押し込んだ。強欲そのものであった。。
 結果は玲奈ちゃん20個、僕ちゃん12個でありました。めでたしめでたし失禁まっしぐら〜。

 枇杷のあとは寿司に決まっている。世の常識というものだ。少し高級な回転寿司「やまと寿司」。「スシロウ」の3倍ぐらいの値だろうか。さすがに美味い、ネタがいい、職人さんが回転しながらちゃんと手で握っている寿司のようだ。
 仕事の話、不平不満、趣味、好みの食べ物、わたしにはもう無い将来の展望、結婚観…機関銃のようにしゃべる彼女を、わたしは「フフ、フフッ」とただ笑いながら眺めていた。バーチャル親子の契りを交わしてから早や10年目である。最近は「本当の娘かもしれない」と思うようになってきた。
 彼女20皿、わたくし12皿、奇しくも先程食った枇杷の数と同じになった。…嘘。
 小林 倫博