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真実はいつも隠される
 
2020年05月03日(日)「アメリカが危ない」

 新型コロナの話ではない。J.F.K、あの暗殺されたケネディ大統領の話である。
 銃撃されたのが1963年11月22日、当時わたしは小4だった。東京オリンピックを翌年に控え、初のテレビ中継実験ということも有り、皆胸を膨らませて画面を見つめていたのだ。そしてそこへ飛び込んできたのが、大統領暗殺のニュース映像だった。
 ジャクリーヌ夫人がケネディの飛び散った脳味噌を拾い集めようと後部ボンネットの上を這う様子は、生々しすぎて夢に出てくるほど恐ろしかった記憶がある。不謹慎だが、わたしはその時からずっとこの事件の虜である。

 前にも書いた気がするが、1992年に「JFKファイル公表特別法」という法律ができて、そこには「制定から25年後に全てのファイルを公表する」と明記してある。というかそれだけの法律な訳だ。ま、ケネディ暗殺の謎はアメリカ国民にとって“法律を作らせるほどの関心事”であったということだが、わたしにとっても「それを見るまでは死ねない」と生きる励みになっていたのも確かである。2000年頃に一度死にたくなった時期が有りまして(笑)。
 2017年10月26日が制定から丁度25年目にあたり、2891点にも及ぶケネディ事件の最高機密文書が公開されたのだ。しかしそれは全てではなかった。肝心の部分は削られ、なかばどうでもいい、または無関係なものまで含まれたものだったのだ。明らかに意図的に選別された内容の物ばかりだったのである。
 つまり「ハイ公表はしましたよ、ここまで見せたんですから後は目をつぶって、ここから先は知らんでよろしい、手をだすな」ということの様にも取れる内容だったのだ。
 しかし、世界にはこの事件の研究者がまだまだ多数いて、事件の当事者達が生きている内により正確な、より新しい証言を得ようと必死で活動している。今ではすっかり組織化されていて、研究者間の横の繋がりも現在完璧であるらしい。言い換えれば「民主主義」を死守しようと強大な力に立ち向かっている集団なのである。国側にとっては余計なことを明かそうとする輩たちといったところだろう。

 トランプ大統領は当初、残りの機密書類もいずれ全てを公開するとしていたが、最近になって「国家安全保障上の理由で、公開しない」と言を翻した。これは「都合の悪い事は闇に葬りますよ」と公然と言っているのと同じである。
 わたしだってこの歳で頭が青い訳ではない。闇に葬られた国家機密などこれまでにいくらでも有っただろう事は分かっている。平和主義者の対岸には武器商人がいるのだ。日本が真珠湾を急襲するように仕向けた国・者が居たのである。世界の歴史には全て裏があり、暗躍する組織が多数有ることも知っている。。
 が、時の大統領自身が「ここから先は都合が悪いからもうおしまい、“国民の知る権利”なんて知らんもんね、もう詮索すんなー」などと公然と発するのはいかがなものか、何か履き違えているぞと思うのである。

 4月29日と5月02日に放送になった、NHKの「未解決事件 File.08 JFK暗殺」をご覧になった方も多いかと思う。
 66人の研究者の協力を得て取材を繰返し、現在知りうる全ての資料を元に、初めてJ.F.ケネディ暗殺事件の当日を映像化したものだ。
 C.I.A.の一部の人間が「それぞれの愛国心」の元にオズワルドを利用して計画・実行したというストーリーであったが、但しまだ全容が解明された訳ではない。さらに上に全てを束ねた人物がいたはずである。そして全てを公開しないということは、その人物がまだ生きている可能性もある、ということだ。急いでほしいと思う。
 プライド高きトランプ大統領が、発言を覆してまで隠さねばと思った事とは何なのか? 国家を信じる国民が、おそらく一人も居なくなるほどの「事実」なのだろう。

 アメリカは既に「自由の国」「民主主義の国」ではないのだ。
 いよいよ、アメリカが危ない。



参考:
https://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/
小林 倫博