収入源の分からない牧場です

ピンクのトンネル

にぎにぎしい

すっかり白くなった

白い八重桜

ソラ君元気してる?
 
2025年04月20日(日)「秋元牧場7年ぶり」

 コロナ渦では牧場自体が入場を禁じていたので、訪れるのは7年ぶりぐらいだ。2匹の犬が元気だった頃はしょっちゅう遊びに来ていたのが、ソラが死にキラ1匹になった現在、はたしてキラもこの牧場のことを覚えているかどうか。

 秋元牧場と言えば「八重桜」だ。色が桃色なのでかなりにぎにぎしいが、嫌いではない。それにもうひとつ、広い牧場の中に2本だけ真っ白の八重桜があって、これがこれが誠に美しい。ウェディングドレスのようで食べてしまいたい。変態だ。まあ、まるでお菓子のようで食べてしまいたい訳であるよってことさ。

 写真には写っていないが、結構な数の花見客が来ており、弁当を食う場所探しに苦労した。離れた場所に朽ちた丸太があり、そこにターポリンシートをかぶせて腰かけた。犬のキラはもとより花より団子なので、今日はご機嫌である。蒸した鳥のササミをタッパーに詰めて持参した。犬も歳をとると色々悪いところがでてくるからなあ、つい甘やかしてしまうのだ。彼女はもう耳がほとんど聞こえない。

 妻は¥650の焼きシャケ弁当、わたしは¥680のトンカツ弁当だ。庶民の幸せというものはこのぐらいの分でちょうどいい。¥30だけわたしのほうが幸せな訳だが、まあわたしはまだ一生懸命現役で働いていますからね。妻よ許せ!

 歩き回るうちに「あ、この木の下でソラとキラに手作りのおやつをあげたなあ」とか「この牧草の中を犬と走ったなあ」とか「ソラが馬をみて吠えたなあ」とか思い出した。
「ソラ君、元気にしてるか」わたしは空を見上げて言ってみた。
「死んじゃったんだから元気なわけないじゃん!」
 妻は結構冷たい。わたしが死ぬ間際にもきっと「もっと頑張って稼いで頂戴」とかいうのだろうか。ウェディングドレスを着ているときに食べてしまっておけばよかったかも。

 小林 倫博