天気晴朗にして波低し

小さな旅です	①黒ヶ鼻へまっしぐら	②見えた見えた！	③いつかあそこまで行く	④うねりはあるが静か
⑤再び陸へ近づく	⑥アベックさんサヨナラ	⑦松部漁港入り口	⑧パンツぐらい買え	⑨ＳＵＰのみなさん

２０１８年０７月０１日（日）「８３たちも夏が好き」

　６月中に梅雨が明けるとはナンタルチヤだ。何年か前にも、早い時期に梅雨明け宣言をして「間違いでした、すんもはん」というのがあったが、今年はその時よりもさらに早い。盛夏の水不足がマジで心配である。
　１０日振りの休みで、体はさすがにグッタリしているのだが、気持ちが妙にウキウキして仕方がない。そう、わたしは夏男なのである。
　２～３日吹いていた強風も今日はおさまり、嘘のような無風状態。今すぐに海までワープできたらハワイまで漕げるかも知れない、と思った。心は既にカヤックに乗っている。
　５時に犬散歩に出て６時に帰宅。犬たちの足の火傷を防ぐための早朝散歩だが、用事を早く済ませて出掛けたいというのが本音。普段よりだいぶ早足で歩いたので朝とはいえ大汗をかいた。南国生まれだから汗腺の数が多いのである。しかしそのおかげで、熱放射の効率がとても良いらしく、暑いのはまったく苦にならない。

　日曜だというのが若干不安（混雑するから）だったが、今日を逃すと次の休みはまた８日後だ。台風も発生している。非力老齢パドラーにとっては、無風に近い今日こそが千載一遇のチャンスなのである。
　今日の目標は「黒ヶ鼻からさらに１００m程沖に出て“かつうら海中公園の海中展望塔”をカメラに収め、その後“うねり乗り”を楽しみながら松部漁港辺りまで漂流して、戻りで道々（？）カヤックフィッシングの出来そうな場所を探して回る」というものだ。わざと長く言ってみたが、ただの面白半分舟遊び。

　少し慣れたせいか、今日はほとんど恐怖感は無かった。海を渡ってくる風速２～３mの風はとても涼しく、すでに真夏日の陸の上よりずっと快適だ。
　シーカヤックの入門教室らしきものをやっていたので、先生のレクチャーを盗み聞きしながら付かず離れずついて行き、沖へ出てからこれ見よがしにおにぎりを頬張り大の字に手足を伸ばして寝てみせたりした。大きな船の特権である。嫌味なジジイだ。
　連中と別れて１人うろつく。松部漁港の防波堤沖にとても静かな場所を見つけたので、今度もう少し沖目の処にアンカーを打って、様子を見てみたいと思っている。快適に過ごせても、魚が居なくては話にならない。釣れない場所に他人を招待する訳にはいかないのだ。

　またまたうろつく。尾名浦海岸でSUP（スタンダップパドルボード）の講習会に漁船を乗り入れ、嫌がらせをしている全身刺青・全裸の漁師を見た。虚勢を張る輩はこの手で去勢してやりたい。ハハ、駄洒落ですね。
「パンツをを履いて死んでしまえ～」と念力を送ったが距離的にあとちょっと届かなかった。
　出発地点の浜に戻ると１０人位の団体がバーベキューをしていた。こっちも全員が刺青を入れている。８３たちも夏が好きなのだろうか？
「肌なんか焼いちゃっていいの？白い肌の方がガラ（刺青の）が映えて綺麗なのに」とわたしは言ったが、声量的にあとちょっと届かなかった。
　何を食ってるのかなあ……と背伸びしたが、身長が足りず見えなかった。しかし臭いからして絶対イカとタコだと確信。
「分かった！テキ屋の組合だ、きっと」

　夏なんです。何から何まで気分がいい。
　あ、言うまでもないが、８３はヤーサンね、蜂さんではありましぇん。