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Fieldnote 2017 コレクションしてる訳じゃないのだが…

今回のストラト

¥2980のオベーション

Kヤイリがくれた小林モデル

スリーSのTG−005

70年代のマーチンD28
2017年09月13日(水)「1480円のストラトキャスター」

 先々月、リサイクルショップで手に入れた“2980円のオベーション”にすっかり気を良くしているわたしだが、あれ以来、週に1度は必ずショップに足を運び、嬉々として真っ先に中古楽器コーナーを覗くようになってしまった。
 先日は「馬頭琴(ばとうきん)」を見つけて激しく食指が動いたが、結局“お土産品”臭い感じがして止めてしまった。知識がろくに無いものに関しては、ただ珍しいというだけで手を出してはいけないのだ。飾り物やモチーフにする訳ではないのである。
 演奏の技量は低いが、ギター系は別だ。まあ幸いな事にいままで色々と名器と言われる楽器を見たり触ったりしてきたので、それなりに“見る目”だけは肥えている(つもり)。
 で、今日見つけたのは1480円のストラトキャスターである。残念ながら偽物(というか国内メーカーのコピーモデル)だがパーツ類の“質や銘柄”から推測して、そんなにひどい安物ではなかろうと判断した。中の上ぐらいだろう。ただし錆と、焼肉屋にでも置いてあったのか油汚れが半端じゃない。ヌルヌルしている上に、得体の知れない細かな固形物までこびり付いてる。手に取るのもはばかれるほどで、ましてや抱えてみるなど相当勇気が要ることだった。売れないはずである。
 エレキギターに油汚れ? 信じてもらえないかも知れないが、鼻を近づけると確かにカルビの臭いがした。かすかだがカクテキの臭いも混じっている。犬たちが大喜びしてかじっているシーンを想像して笑ったが、いやいや冗談ではないのだ。
 しかし策は有る。全分解してマイペットとアルコールとファブリーズで隅々まで清掃消毒すれば、なんとかかじられるのだけは避けられそうである。
 錆はアメリカ海軍が使っている錆落としが強力。磨く必要もなく浸しておくだけ。よって傷は付かない。さらに、その後数年は同じ箇所は錆びないという保証付きだ。すごい物があるねえアメリカには。
 ヘッドのフェンダーのロゴマークは、これはもう明らかに後貼りのシールだ。
「惜しいなあ、パッと見は本物だったのになあ、もう少し上手くやれば“本物”で通用したかもしれないのに」
 我ながら、中国人もビックリの贋作好きなのだ。税込で1480円ポッキリ、買わない理由がどこにも見つからなかった。

 帰宅してアンプにつなぐと、まったく問題なく音が出た。電気接点に多少のガリがあるが接点復活剤という便利なものもある。機能的にも悪い所無し。しかも結構いい音だ。昔持っていた本物のストラトより線の太い音で、指板の擦り減りもまったく無く弾きやすい。どういった運命が彼女(なの?)を焼肉屋にたどり着かせたのやら、わたしは暫し夢想した。改めてその価格に感激する。油汚れさまさまである。

 真剣に清掃し、スベスベの肌にして我がコレクションに加えた。いずれシールがはがされて立派なロゴマークが付き、本物に化ける日が来るかも知れない。そうなったらオークションに出品して中国人に高値で売りつけて……嘘、嘘。
 最近、休みの日は必ず30分以上ギターの練習をするようにしている。これは本当。ボケ防止には指を動かすのが一番いいらしいのだ。同時に大声で歌えばもっといいらしい 。あれ?昔長年やってた事だワ。

一句でけた。
「スリーフィンガーの 乱れに乱るる 秋心」