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「豚味噌の会」月例会です

海の駅のチラシ

イワシの水槽

舟盛りはここのもの

このぐらいの店が3軒

舟盛り、舟盛り!

小さいが鮮魚売り場

カツオ1本¥1500

グロい、グロい!

バーナーであぶった

刺身とタタキの寿し酢和え

グルテンいっぱいの強力粉

全身でこねる

でんぷんを洗い出す

これがグルテン

生麩じゃなくて団子ができた
2015年07月25日(土)「 ぞんぶんの日 」

「生麩(なまふ)がすごく好きなんですけど、生麩って結構高いんですよ。だからいっぱい食べるためには自分で作るしかないなって、学生の頃に一生懸命研究したんですよ会長。偉いでしょう?」
 偉いかどうかは知らないが「豚味噌の会」の経理担当、玲奈様の理論は正しい。プロと同等の腕になるにはかなりの努力が必要ではあるだろうが、手間賃が無くなった分、材料にお金がかけられる訳である。当然質も量も市販品を上回るはず(?)ではある。
 経理担当はかなり“腕に覚えがある”ようで、ニヤリンと笑った。

 一方わたしはというと、釣った魚を中学時代から自分で調理して食べていたので、魚をさばくのはまあ得意とまでは言わないがソコソコに出来る。しかし鱚(キス)や小アジや小サバがさばけるぐらいでは「包丁が使える男」と言えるレベルではないのだ。別に言われなくてもぜんぜんいいけれど、そっち方面への好奇心は大いにある。
 で、わたしは鰹の刺身とタタキに今回挑戦してみる事にした。
「包丁一本、晒しに巻いて、庭に出るのさ、刺身とタタキ〜♪」
 最近すぐに歌ってしまうが、往年の才能は見る影もない。ただの替え歌である。終わったな。

 今回のイベントのテーマは「ぞんぶん」だ。「孫文」ではない。あ! また無駄なことを言ってしまった。これは老人性のものだろうか。
 好きなものを、思う存分食いましょう、食わせましょう、という企画なのである。豚味噌の会は食欲の会なのである。

 
 今年の4月にオープンした、片貝漁港の「海の駅 九十九里」へ、カツオを仕入れるために検分に行く。まあ大々的に宣伝しているようだが、採算ベースを考えるとそうそう大きな設備であるはずがない。
 案の定、そこそこ立派なプレハブ建築という感じだ。1階が土産屋と鮮魚屋、2階がフードコート。海鮮料理を食わせる店が3軒ある。3階に宿泊施設があるらしいのだが、こんなところに泊まって何をするのかはわたしには分らない。おそらくだが、海鮮料理の宴会をやって、みんなでとことんヘベレケになって、倒れる込むように寝ちゃいましょう、といったコースが有るのかも知れない。
「みっちゃん」という店の舟盛り定食(¥1000)はけっこう数が出ているようだった。コストパフォーマンス的には合格。わたしはグルメではないので星はつけられない。が美味かったですよ。


 家に戻り、わたしは「カツオさばき」、経理担当は「生麩作り」だ。
「暑い暑いラスベガス〜、より暑いよヨリヨリ」
 二人で歌うと、とにかく暑苦しい。この歌はこの夏ヒットするかも知れない。……んな訳はあるはずがない。
 台所と庭に分かれて“ぞんぶんに食べる”という目的だけのために、各自黙々と作業に没頭する。おかしい。笑える絵だ。
 時々、取材目的で写真を撮るのに家の中を覗くと、彼女はスマホでレシピを確かめながら作業を進めているのだった。“覚えのある腕”はちぎれてしまったのだろうか?
「翼の折れたエンジェル〜、ドサッと地に落ちた〜♪」またまた歌う。

 
 戦い過ぎて陽は暮れて、わたしたちは知った。人はそれほど多くのものを食えないということをだ。酒を飲まない会ゆえか、あっという間に満腹になってしまった。が、まあカツオさばきは成功したと言えるだろう……か?
 経理担当の生麩は、途中までは上手くいっていたのだが、存分に食いたいがために最後の最後にグルテンに白玉粉を大量に混ぜたらしく、できたものは「ただの団子」であったのだった。苦労してデンプンを揉み出したのに何故にデンプンをまた入れる?
「デンプンプン蜂が飛ぶ。デンプンプン蹴りが飛ぶ」
 

 生麩というものにこれまで縁が無かったわたしは、今回の絶好の試食チャンスをもものにできず、未だその味を知らない。
 はたしてリベンジはあるのかどうか、後半へ……続かない。