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幼児虐待⇒即死刑どうでしょう
2016年01月27日(水)「 許してあげたい人々 」

 2週間ぶりの休みだ。
 7時に犬の散歩に出て8時半に帰宅、エゴマ油を2gかけた野菜サラダと、酒粕入りの味噌汁と、豚味噌と玄米ご飯で朝食を済ませた。
 妻にやってもらうのは申し訳ないので掃除と洗濯はいつも自分でやるようにしているが、この爺さまときたら干している途中でも思い付いたオチやらネタをパソコンにメモったりするので、モタモタしている内にありゃりゃもう10時だ。
 髭剃ってシャワー浴びて、電車に乗るので服など選んでいると…おやおやもう家を出なきゃの時間である。年末に書いた「鬼を笑わす作戦」の利根川を、今日はロケハンに行く予定なのに…である。今日を逃すともう後が無い。嘘だけど。

 土気駅に着いてスイカにチャージをしていると、“ただもうそれだけで不愉快になるようなダミ声”のアナウンスが突然流れ始めた。
「お客さまにお知らせ致します。11時55分ごろ、茂原と新茂原の間の踏切におきまして乗用車の脱輪事故が発生いたしました。レッカー車の到着を待っての作業となりますので、ただ今から約1時間ほど電車の運行が止まる見込みです。お客さまにはお急ぎのところ大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。なにとぞご理解のほどお願いいたします。尚、次の下り電車は発車後にとなりの大網での待機となり……」
 ダミ声のせいなのだろうか「申し訳なく思っている」という気持ちがまったく伝わってこない。高飛車で上から目線でふてぶてしくさえ感じるのである。そういうものは大衆にすぐに伝わる。
「事故発生から30分も経ってるのに、なんですぐにレッカー呼ばなかったのよ? 今からじゃ結局1時間半止まるんじゃないか、ものごとは正確に言えよ!」
「AS SOON AS POSSIBLE!」
 乗客もなかなかに手厳しい。外人さんもいる。さぞかし大事な用があるのだろう。
「止まってんだから仕方ねえだろ!つべこべぬかすな。俺のせいじゃねえんだからそういう目で睨むなっつうの。文句があるなら車の運ちゃんに言えよ馬鹿やろ」
 とうとう駅員の顔に本音が出てしまった。わたしはエアで駅舎内を一斉掃射した。使った銃はウージーだ。

 外房線は全国でもっとも乗客マナーの悪い路線と言われているらしい。誰が言ったんだ! と聞かれても記憶に無いが、まあこれも一種の都市伝説だろう。普段使っている身としても日本一かどうかはわからないが多少感じないわけではない。“並ばない・譲らない・守らない・タチが悪い・下品・笑えない”が日常茶飯事である。こういうのは別に外房線に限らず個人の問題で、どこにだっていいのもいるし悪いのもいるってことなんだが、閉鎖された半島なので若干このあたりにはお馬鹿が多いということなのだろう。
 乗務員でも時々腹立たしいのがいる。マイクを思いっきり“吹く”車掌。声色からして50歳ぐらいなのだが絶対にマイクと口がくっついている筈だ。そしてこれまた声がでかい。朝の満員電車の、まだみんな眠そうな目がいきなり引きつって、白目に血管が浮き出している。ハードロッカー車掌なのだろうか?
 可笑しな車掌もいる。“声ひっくり返り病”だろうと思うのでまあ気の毒なのだが、やっぱりこれも不愉快である。ヨーデルは上手そうだがわたしは朝からヨーデルは別に聴きたくはない。
 文字で説明するのは非常にむずかしい。真似してあげられればすぐ分かってもらえるのだけど……。どうやら「イ段」の音でひっくり返るようだ。
「ナリタ方面のお客様はツギのチバエキでお乗りかえください」
 やってみて。

 1時間待って出発したのでは戻りが犬の夕方散歩に間に合わないし、家族と寿司を食いに行くのにも間に合わない。明日はわたしの誕生日なのである。最高の天気だったが、私はあきらめて帰ることにした。午前中をもたもた過ごした自分が悪いのである。


 帰宅してワイドショーを観た。20歳で190cm以上の身長がある暴力団の男が、3歳の男の子を虐待死させた事件をやっていた。同居して間もない女の、連れ子だそうだ。190cm以上だよチミ? そんな奴に脳天に踵落としなんかやられたら大人でも死ぬだろうがよ。
 幼児虐待などする奴は全員即死刑にすればいいのである。国民の数が一人でも欲しい今の政府だろうが、どうせこんな奴は税金を払っているわけはないのだし、わしらの血税で刑務所で生かしておく必要もないのだ。常日頃言っているように「仇討ち許可証」を出してもらってみんなで切り刻めばいいのだ。
 いつになくわたしは憤り、画面の中の大男を44マグナムで撃ち殺した。
 
 ふとさっきの駅員たちを思い出した。そして、あの程度なら「許してあげたい人々」なのだろうな、と思った。