夢(ゆめ)
白神山地には夢のような池があったのだ
     でも岩魚を釣ってはいけないのだった
「夢を見分ける」ということが果たして可能なのかどうか、それが私の長年の研究であり夢なのです。(半分ウソであります)
 しかしながら、遂にというか偶然にというか、その成果が昨夜現れましたのでここにご報告いたしましょう。
 私の夢は作家の椎名誠さんと会って「一杯やりたい」という恐れ多いものなのです。
 余りにも突飛で実現の可能性も限りなくゼロに近いでしょうし、一杯やってその後どうするんだと言われても困ってしまうので、え〜い、もう夢の中でお会いするしかないじゃないか……という作戦になってしまう訳ですね。
 とにかく「ブックオフ」に走り、文庫本を80冊ほど買い込みました。2ヶ月かけて全
部読み終わる頃になると、私小説的なものも多いので育った環境や成長の過程、そして思想や細胞組織、家族構成、家族の名前、住んでいる場所も分かってきた訳なのです。
 ちょっと待て! 私はいわゆるストーカーではありませんよ〜。ちょっとそうだけど。
 ま、つまり私はそこまで「椎名誠研究」をしたのです、夢で逢うために。写真集なども瞼に焼きつくほどに凝視し、ギャグや洒落の回路も解明しました。「岳」君なんかもう自分の息子のような錯覚を起こしてしまいそうです。
「そこまでやれば、そろそろ嫌でも夢見るんじゃない?」と妻があきれた矢先、つ、遂に「ご対面〜」になったわけなのです。
 実際そういう場所でお飲みになるのかどうかは別として、我々は表参道で逢いました。飲み屋の入口はビルとビルの隙間にあって、15cmしか幅がないのにスンナリ入って行けたり、入ってみると満席で何軒か探し回ってみたり、階段を下りて来る際に置いてあった壷を私が割ってしまい、それを片付けていると「真面目なんだね」と褒めてくださったり、奥さんまで現れたりして奇妙にリアル(どこがじゃ!)だったわけです。
 今回のことを励みに、今後の課題としては「5W1H」をきっちり指定してお会いしていただくことが出来るようにさらに精進してみようかと……思っている今日この頃です。