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一人は恐いが自由そのものだ

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2018年05月05日(土)「やっせんぼ&ぼっけもん」

 大河ドラマの「西郷どん(せごどん)」を観ている方は分かると思うが“やっせんぼ”というのは薩摩言葉で臆病者、小心者、弱虫、意気地無し…といった意味である。
 片や“ぼっけもん”というのは大胆な事をする人、怖いもの知らず、変人、偏屈な人、乱暴者…といった意味を持つ。ただし乱暴者とはいっても義や誇りや信念を合わせ持ち、寛容であり且つおおらかな…といった意味合いも含むのでどちらかというと誉めた呼称だ。
 やっせんぼとぼっけもんはほぼ対極にある。

 カヌーの骨組みの補強をしたことを先日書いたが、それを試す目的もあって本日「鵜原」の海に行ってきた。
 子供の日なので「海中博物館」などは笑ってしまうほど混んでいたが、水上に浮かべば自由の人である。
 静かな海とはいえ一人で海に出るのは初めてなので完璧に“やっせんぼ”の気分。おまけに出航していきなり高低差1mほどの大きなうねりに乗ってしまい、思わず「オワーッ」と声を出したりした。しかし恐怖に打ち勝つには、ただただ力の限り漕いで先に進むしかない。
 漁師がいつも命懸けであることを「板子一枚、下は地獄」などというが、こちとらはさらに危うい「0.7mm厚の布1枚、下は地獄」である。

 しかし強風に翻弄されながらも、何とかそれに打ち勝って目的の入江に到達できたりすると、今度は“ぼっけもん”の血がムクムクと騒ぎだす。母方の姓が「鮫島」なので脈々と受け継がれた海賊の血がそうさせるのかも知れない。
「いけるいける。このまま何とか凌いで岬の突端に回り込み、海水浴場まで行き着けば、それこそ子供たちに超受けるだろうなあ。男はそれぐらいやらんといかん。ジョン倫次郎だ」
 勇気と受け狙いは紙一重なのである。

 おっかなびっくりを楽しめるようになったのは1時間余り漕いだあたりからだ。しかしその後時折突風が吹き、物理的に難しそうだったので上がることにした。根性だけではどうにもならない事がこの世には山ほどある。
 しかし今日遊んでみて、この船の可能性も少し見えた感じである。海岸線トレースツアーなら十分使えそうな気になってきた。
 カヌーというよりは見た目も小舟に近いが、気取ったって仕方がない。そしてわたしは老漁師だ。老人と海、老兵は去るのみ、年寄りの冷や水……様々な言葉が波のように寄せては返した。

 今回は写真を多数載せたので雰囲気だけでも感じていただけたら幸いである。次は、動画も撮りたいものだ。


〈写真の補足〉
@カヌー教室をやっていた。わたしのような素人には理想的ないい場所である。
Aパイプに砂を噛ませないように注意して組み立て。無理すると、最悪の場合バラせなくなる。
B出発。先日の補強が抜群に効いて、底布はピクリとも動かない。大成功と言っていい。安心して漕げる。
Cオフショア(陸から海に向かって吹く風)のせいかアッというまに陸から離れてしまった。緊張。
D顔が強張り、肩に力が入り、超やっせんぼのジイサン。長靴履いてますな。
E焼酎白波なら怖くないんだけど、彼方のあの白波はちょっと嫌である。
F穏やかそうに見えるが、時折強風が吹いて岩に波頭が砕ける。
G隣の入江に到着。あれ? どっかで見た風景だ。
H2014年7月に犬連れで来た尾名浦海岸だった。眼鏡岩健在。それにしても海藻がすごい。
Iすぐ近くのもうひとつの浜。砂浜が無いと様にならないものだ。
Jウロウロ動き回って洞窟探し。このコンブみたいなやつは食えるのだろうか?
Kイソヒヨドリの雄だ。ヒヨドリに体型が似ているが全く違う種類。最近は都市部で見かけることもある。
L入江の中の水草(海藻?)。半端な数ではない。スクリュー船は絡み付くので無理だろう。
Mこっちは底に張り付くタイプ。小魚がたくさん泳いでいる。河豚の稚魚のようだった。
N岩場には潮溜まりが無数にある。イソギンチャクが採れれば家で飼うのだが、残念ながら。
O洞窟。満潮だったらカヌーで入れるかもしれない。いやいや荒波でカヌーが破壊されそうだ。
P中から外を撮影。沖に白波が立ち初めた。海は天候がすぐ変わる。
Q正確ではないが、この辺りの海を何度も行ったり来たりして遊んだ。次は是非、黒ケ鼻を越えてボラの鼻ぐらいまで行ってみたい。こういうのを大風呂敷を広げる、というらしい。


※この日車は、交渉して個人宅の庭に1日¥500で停めさせてもらった。夏場は1日¥1000の駐車場が多数オープンするらしいが、この時期はまだ無い。しかし探せば個人宅の庭…というのは近隣に結構あるらしい。夕方になって駐禁で違反切符を切られた車をいっぱい見た。路駐はヤバイです。