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初めから狙われてた?

年末はこいつらが暗躍する

いつもここで買ってます

色々な物を持ちすぎ?
2018年12月19日(水)「天国から地獄」

 例年通り年末ジャンボ宝くじを買いに有楽町へ行く。一番よく当たると言われている売り場に変えようかと毎年思うのだが、ここ10年ぐらい頑なに同じ売り場で購入している。連番10枚、これでいいのだ。当たる時は1枚買いでも当たるだろう。
 東京駅に戻り、コーヒーを飲んでから地下街のスイーツ売り場をうろつく。マカロンの5個入りを買い、豚味噌の会の玲奈ちゃんへの手土産にする。
 宝くじとスイーツの手土産と彼女との昼飯は何だかすっかり年末の定番イベントになった感がある。

 浜松町駅の文教堂(本屋)で「明治維新に殺された男(¥1400)」を買う。これは西郷隆盛に最後まで連れ添った“人斬り半次郎”こと桐野利秋が残したメモや手紙に基づいて、現代の医者が西郷隆盛のその時々の健康状態を分析、それによって精神状態をも導きだして、人間西郷隆盛をさらに分析してみたいと書かれたものだ。全ての分析にしっかりとした根拠と背景のある「読んだほうがいい本」である。
 モノレールで天王洲アイルに移動し彼女と落ち合う。食べるものなんか本当は何でも良かったのだが、タイ料理屋でフォーを食おうということになった。
 今回は間があまり開いていなかったせいか、緊張も無くすぐに打ち解けて、双方ともよく喋った。何事にも慎重な彼女が、何を思ったかいきなりフォーに唐辛子を多量にぶち込み、辛い辛いと大騒ぎ(はしゃぎ)である。カプサイシンがやや上気した彼女の肌を尚一層ピカピカにした。眩しいほどだ。
 わたしは「最後に会えてよかったな」と思った。あはは、今年最後って意味だ。最低でも年に4回ぐらいは会いたいじゃないか。

 気分よく別れたので、帰路の電車に乗り込むと実に健やかに夢心地になってしまった。おまけに総武快速だ。東京駅から土気駅まで直通である。バッグを網棚に乗せ、わたしは腕組みをしたままヌクヌクとした眠りに落ちていった。これを幸せと呼ばずして何と呼ぼう哉! である。
 約70分後、わたしは目を覚ました。丁度土気の一駅前である。
「どうしてこんなにピッタリで目が覚ませらるのだろう、俺って天才?」と思って立ち上がり網棚を見た瞬間、わたしは地獄に向かって真っ逆さまに落ちて行った。
 バッグが無い。バの字も残っていない。2秒間途方に暮れ、5秒間眩暈がし、10秒後にわたしは「面倒くせえなあ」と毒づいた。

 JR大網駅で手荷物の捜索願いの登録に40分、警察での盗難届け提出に2時間半かかった。スマホとスイカをコートのポケットに入れていたので助かったが、そうでなかった場合を思うと今でも少し震える。
 写真Bは後日、冷静に冷静にバッグの中身を思い出し、書き出したものである。これに命を加えたら、おそらく「わたしの全て」といっても過言ではない。
 制作中の音楽データが入ったメモリー類が全滅したのが痛い。買ったばっかりの宝くじは、おそらく当たっていたんだろうなあ。
「明治維新に殺された男」は高いけど、やはりもう一度買う、と思う。
 戻って来ないものにいつまでも期待する性格は、そろそろ治さなければダメだ。残り少ない後の人生を浪費することになる。教訓はこれだな。