Sakura Internet
1時間のために9時間駆ける喜び

渋滞時の撮影が趣味

こじんまりスシロー

こいつの後はまたお寿司

実家は美容院なのだ

ひょうたん屋敷
 
2021年05月25日(火)「さよならを言いに会いに行く」

 コロナ禍という事もあって、なかなか会えずにいたが“豚味噌の会”の玲奈ちゃんと久しぶりに飯を食おうということになった。なんと2年半振りである。お互いリラックスしたいので気の張らない回転寿司の“スシロー”でと決めたのだが、彼女の住む町にはスシローが無い。リサーチした結果、隣町の「幸手市」に有ることが判明、押しかけて行く事にした。 千葉県から東京都を抜けて埼玉県まで、100Kmちょっとの小旅行だ。
「県をまたいでのお出掛けは自粛しましょう」と国道のあちこちに看板が出ている。が、こっちはハイゼットカーゴだ。“ザ・お仕事車”には誰も文句は言わないのだった。もちろん、煽られもしない。

 小野リサのアルバムを5枚買ったので、それを聴きながらのんびり行こうと一般道で向かったが、船橋の辺りで大渋滞にはまってしまった。
 ナビでは3時間で到着の予定だったが、朝の9時に出発して、結局着いたのは午後の2時、5時間かかった。もちろん小野リサは全て聴けた。だからそれはそれでまあ満足なのだ。

 幸手のスシローはなかなか旨かった。スシローだからどこでも同じだろうと思ったら大間違いである。客足の回転、店舗の規模、グループ内での売上額ランク、店長の技量、裏方調理人の工夫能力等々で微妙に味とネタが違うのだ。何を隠そう、わたしはスシロー研究家なのである(笑)。

 2年半振りだったが、玲奈ちゃんは少しも変わっていなかった。「会長! 豚味噌会長!」と相変わらず無邪気に明るい。途中でスイーツを食べて口直しをし、また寿司に戻るという元気一杯さだ。実に食べさせ甲斐がある娘だ。良く笑い、良くしゃべった1時間。このために来たのだなあ、来て良かったなあと思った。

 玲奈ちゃんを再び自宅まで送って、時間が時間なだけに、わたしはそのまま直ぐに帰る事にした。
 彼女のお母様が美容院をやっているのだが、入り口の燕の巣の雛たちをカラスから守るために、以前我が家で採れたヒョータンが数個ぶら下げてあるのには笑った。知らない人にとっては異様な光景だ。毎年やっているという。おそらく、玲奈ちゃん発案のオモシロガリー(?)であろう。
 お母様とわたしは同い年だ。娘を持つ同年代の気持ちはよく分かる。
「嫁入り前の娘を、あちこちに連れ出して遊び回るのはもうそろそろ止めて下さいな」と言われると思ったが何故かそれは無かった。それどころか、わたしの髪を切ってくださるつもりだったらしい(笑)。が、前々日床屋に行ったばかりだったので既に短かったのだ。「残念です、私に出来るのはそれぐらいですのに……」とはなんとも恐縮の極みなり。

 帰路、ナビが示すルートが来た時と違ったので、興味が沸いてまた一般道で帰ってみた。今度はボブ・ジェームスの曲をずっとリピートで鳴らし続けてみた。ふと”老人性センチ”になって「さよならを言いに会いに行く」という歌のタイトルを思い付いた。さよならを言う為に彼女に会いに行くのだが、いざ会ってしまうと楽しくて、癒されて、嬉しくて、ついつい打ち解けてしまう。ご飯食べたり、お茶を飲んだりしているうちに、もう何も言い出せなくなってしまう。辺りには桜の花びらが吹雪のように舞っている……。
 てな感じ?(笑)
 帰路は4時間で着いた。

 67歳、未だ妄想癖止まらず。もうこれは死ななきゃ治らない。…と思う。
 小林 倫博