「 “東京ララバイ”のタイトルについて 」


  音楽学校の講師およびスタッフをしていた頃、通信教育の受講生から「五木ひろしの“横浜たそがれ”はほんとうはぼくが作詞したんです」とか「島倉千代子の“人生いろいろ”は私が10年前に書いた詞の盗作なんです、なんとかしてよ」といった、ちょっと頭が「春うらら」の電話をよくもらったのだけど、これはその自分版。
 
 ファーストアルバムがことのほか好評でいろんな人に褒められて「さあ、これからだぞ、キッキッ」と思っていたある日、打ちあわせでユイ音楽工房へいくとそこに“木綿のハンカチーフ”などで有名な作詞家、松本隆さんがいた。そしてわたしの顔を見るなり言ったのだ。
「 中原理恵の“東京ララバイ”はあなたの曲からタイトルをもらいました 」
  わたしの“東京シティ”という曲の「 東京シティ 夢逃げる 東京ララバイ 寝つけない大人たち 」という一節から、タイトルだけだけどもらっちゃいましたゴメンネ、とおっしゃった訳なのだ。嬉しかった〜。
  以来、わたしの
頭も「 春うらら 」になり、現在に至るわけです。まあ、そんだけの話です。