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カヌレって何だ?

海まで55Kmでした

利根川よ

カヌーように作ったみたいだ

やさしい老人

ここから出航してもいい

猿山だぜ

いい感じだろう?

コンビニが無い町

カヌレはすぐ売り切れ

グルメ本にも載ってる
2016年02月03日(水)「 滑河カヌレ 」

 木村カエラに対抗して滑河カヌレという女性シンガーをデビューさせた話をでっちあげようかと思ったのだが、誰に聞いても「ダサイ名前!」と言われそうなのでやーめた。真面目に書こう。


 利根川を見に行ってきた。
 地図だけで当たりをつけた場所だというのに、ドンピシャの理想的な出発点である。滑河(なめがわ)駅から歩いて5分、キャリーでカヌーを苦もなく運べる距離だ。すぐ近くに小型の木造船が常時係留されている支流まである。ここ辺りならどこからでもスタート出来そうである 。

 先客の釣り老人に聞いた。
「もう少し暖かくなったら海までカヌーで下ろうと思ってるのですが、途中に堰とかダムがありますか?」
「そりゃ面白そうだな。大丈夫、ずっと船で行ける。途中で別の川との合流場所があって水門のようになっているけど通り抜け出来るように水路が作ってあるよ」

 聞くのが一番。大収穫である。それを一番知りたかったのだ。
「今満潮だから流れが無いが潮をよく調べてやれば漕がんでも流れて行ける、楽しいだな」
 老人は自分のことのように笑った。釣り人は往々にしてカヌーを嫌うが、よほど性格のいい人なのだろう。
「鯉ですか?」
「いやいや、寒いでダメに決まってるんだけどヘラだ。アホーなヤツが1匹ぐらいおりゃあせんかと思うてな、あはは」
 老人は竿出しを急いでいるようだったので、もう少し話したかったがそれ以上は遠慮した。


 電車が40分に1本ぐらいしか無いので時間が余ってしかたがない。駅周辺を歩いてみた。コンビニエンスストアが一軒もない。スーパーマーケットもない。店らしいものと言えば一軒だけ。“手作りパン ヤマザキ”というのがあって「あれー? 山崎パンって手作りだっけ?」と思いながら近づくと、ご夫婦でパンを作っている山崎さんのお家であった。
 カヌレというパンが有名らしく、あっという間に売り切れになるらしい。ブログに是非書きたいし写真も撮りたいので「1個でもいいから厨房に残ってませんか ?」とかなりしつこく迫ったのだが、残っていないという。午前中にはいつも売り切れるらしい。美人の奥さんは取材慣れしてましたネ。
「節分のお参り? あら違うの? そう、利根川を見にきたの? 色んな人がいるのねえ……」
“色んな”というのが“物好きな”にも聞こえたが、まあ山崎夫人のアンニュイさに免じて「また近々に来ます」と笑った。


 重要度から言えば、出発点より終着点のロケハンを念入りにすべきであろうと思うのだ。陸に上がれず海まで流されて、さらに離岸流に乗ってアメリカまで行ってしまうと「ジョン倫次郎」だ。末代までの恥だぜ。さあ急ごう、次は“椎柴ロケハン”である。ああ、なんと楽しいことであろうか!


※カヌレというのはまあパンとお菓子の間にあるようなものらしいですよ。ワインを造るのに大量の卵白を使うらしいんだけど、その際に余ってしまった卵黄と小麦粉を混ぜて作ったフランスの固いお菓子らしいですよ。
もやもやサマーズのナレーション風に読んでね。