雑煮と昆布巻きと煮物で十分
 
2022年12月31日(土)「前倒し」

 ここ2、3年は出来あいのおせち料理を注文している。妻は「もったいないよ、贅沢だよ、分不相応だよ」と言っているが、わたしとしては彼女の手間をなるべく省いてあげたいという気持ちオンリーなのだ。父親の介護、アルバイト、バドミントンクラブの運営、主婦、といくつも掛け持ちで忙しくしている。若くないのだから一つぐらい削ったら、と思うが、それらがあるからまだ動いていられるという論理もなりたつから、わたしは敢えて何も言わない。
 
 おせちを注文するようになってから、娘も元旦だけは家に居るようになった。”結婚はしない”宣言は親としては悲しかったが、まあそれも諦めがついた。わたしたち親が死んだあとは一人で生きて行けばいいだけの話だ。

 毎年ちょっと足りない(量が)気がしていたので、今年は4人分のセットにした。ま、どれでも同じと思うのだが4段重になればそこそこ豪華だ。斗が増えるので埋め合わせに訳の分からない物が詰めてあったりするが、それも愛嬌である。

 明日の元旦は家族全員が仕事になってしまった。特にわたしは4時45分起き6時半出と早いので、おせちなどつついている余裕がない。で、家族会議全員一致で前倒しすることになった。年越そばをすすりながらおせちもつつくことになった。ああだこうだと言いながら、女二人説明書きを読みながらはしゃいでいる。それをみているだけで正月が来た気がした。出来あいおせちの効用である。

 わたしの元旦の朝食は、おそらく妻の手になる“お雑煮”と“煮物”とW昆布巻き”である。本当はこれだけで十分なのだ。
 小林 倫博