なんだかなあ、疲れた
 
2022年05月07日(土)「薬のちから」

 友達犬の「空」はなんとか持ち直しそうだ。心臓の腫瘍が無くなった訳ではないが、ピューピューと液が飛び出すほどに点滴を打たれ、強心剤を無理やり口におしこまれたお陰で何と2日目の夕方には歩いて水を飲みに行き、3日目には少しばかりだが餌を食って夕方には糞までした。まだまだ横になっていることが多いが、エコーで見てもらうと心臓の回りに溜まっていた血液もなくなっているという。恐るべき医学の力である。 

 妻と娘は「私たちの励ましが効いたんだわ、空くんも頑張ろうって思ったのよ、まだ生きたいって思ったのよ!」などと喜んでいる。わたしはわたしで「いいや、枕元で俺が『糸』を歌ってやったから元気が出てきたんだ」とまたその場で歌いだしたりした。

 ちがう。薬のちからなのだ。薬は偉大なのである。来世があるとするならば、次に生まれて来る時は、わたしは薬剤師……いや薬そのものになりたいと思う。

 小林 倫博